1960〜1979年の演奏


パウル・クレツキ/NHK交響楽団(1960)
CD(NHKCD KKC2100/01)2枚組

N響世界一周演奏旅行1960パリ
CD1
1.ルーセル/組曲ヘ長調Op.33
2.ヴォルフ/ゲーテ詩集〜竪琴弾きの歌(全3曲)
3.マーラー/さすらう若人の歌
ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)(2)(3)
CD2
4.ショパン/ピアノ協奏曲第1番ホ短調Op11
5.ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
   第1楽章リピート:ワインガルトナー版

 アレクサンダー・ウニンスキー(ピアノ)(4)
 パウル・クレツキ指揮
  NHK交響楽団(1〜5)
  録音 1960年10月24日ライヴ
   パリ、サル・プレイエル(モノラル録音)

 NHK交響楽団1960年の世界一周ツアーで10月24日にパリのサル・プレイエルで行われた公演です。
 アルベール・ルーセルの「組曲ヘ長調」は3つの曲で構成されています。第1曲「前奏曲」は賑やかに厚い響きの演奏です。ティンパニの響きが凄いです。第2曲「サラバンド」は弦楽の良い響きに始まります。やがてホルンもきれいに響きます。第3曲「ジーグ」は木管の明るい響きに始まります。ホルンや弦楽も良い響きです。ティンパニの響きも見事な演奏です。やがて金管や打楽器が賑やかに響きます。拍手喝采です。
 フーゴ・ヴォルフのゲーテ詩集から「竪琴弾きの歌」が3曲歌われます。ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウのバリトン歌唱です。竪琴弾きの歌ですから、冒頭からハープの良い響きがあります。そしてフィッシャー=ディースカウのきれいな歌唱が始まります。第2曲、第3曲もきれいな歌です。素晴らしい演奏です。拍手喝采です。
 グスタフ・マーラーの「さすらう若人の歌」は名曲です。フィッシャー=ディースカウのバリトン歌唱になります。第1曲からオーケストラのよい響きと共にフィッシャー=ディースカウの素晴らしいバリトン歌唱が始まります。マーラーの名曲ですからオーケストラもきれいな演奏です。第2曲は交響曲第1番にも使われた主題が歌われます。見事な演奏です。第3曲は華麗な主題をオーケストラと共にバリトンが歌います。力強い歌唱です。第4曲も一部の主題が交響曲第1番で疲れていました。バリトン歌唱は素晴らしいです。拍手喝采です。
 フレデリク・ショパンのピアノ協奏曲第1番ホ短調はアレクサンダー・ウニンスキーのピアノ独奏です。ウニンスキーは1932年にショパンコンクールで優勝していました。第1楽章から見事な演奏です。オーケストラもよい響きです。ピアノは素晴らしい響きです。ホルンもきれいに響きます。第2楽章も同様にきれいな演奏です。第3楽章は快適な速度でオーケストラとピアノがよい響きで始まります。この曲の素晴らしい響きが聞かれます。ウニンスキーの素晴らしいピアノ演奏です。拍手喝采です。
 ベートーヴェンの交響曲第5番「運命」の第1楽章は良いテンポで、フェルマータはたっぷり伸ばしています。厚い響きは見事です。ホルンのファンファーレは良い響きです。ティンパニも良い響きです。提示部の第2主題はきれいに響きます。展開部でも冒頭のフェルマータは長いです。弦楽の響きの良さ、管楽器との対話もきれいです。ホルンの響きもきれいです。オーボエのカデンツァも大変きれいです。再現部のファンファーレはファゴットとホルンが一緒に演奏しています。ティンパニも素晴らしい響きです。コーダまでの圧倒的な演奏、終結前のフェルマータも大変長いです。感動的な演奏です。第2楽章のアンダンテ・コン・モトは程よいテンポで演奏しています。木管は大変良い響きを出しています。厚い響きの素晴らしさがあります。低弦も素晴らしい響きです。第1変奏の美しい響き、そしてフルートの響きがきれいです。クライマックスの低弦の厚い響きも見事です。第2変奏の盛りあがりの美しさ、ファゴットとクラリネットのきれいな響き、そして木管四重奏の美しさは見事です。次のクライマックスも圧倒的な響きです。ティンパニも良い響きです。第3変奏の木管の良い響き、続く厚い響きも見事なものです。第4変奏のファゴットがよい響きです。そしてコーダまでの全合奏が素晴らしい響きです。終結部も見事な演奏です。第3楽章は序奏のリタルダンドとフェルマータの長さも聴きもの。ホルンの主題は良い響きです。そのあとも素晴らしいです。フーガにおける弦楽の厚みのある演奏は素晴しい響きです。続く低弦も素晴らしい響きです。フィナーレまでの経過部の緊張感も素晴らしいです。フィナーレは冒頭から重厚な響きが素晴らしいです。木管とホルンの響きも厚みがあります。展開部もよい響きです。木管がきれいです。トロンボーンが良い響きです。ティンパニも良い響きを出しています。第3楽章の回帰はクラリネットとオーボエのきれいな響きがあります。再現部は厚みのある演奏、圧倒的な響きが聴かれます。コーダは和音のあとのホルンの主題とピッコロの明るい響きがきれいです。プレストからの迫力は見事です。最後の和音は見事な演奏でフェルマータをしっかり伸ばしています。これは素晴らしい演奏です。拍手喝采です。


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