1950年代の演奏

フリッツ・ブッシュ/ニューヨーク・フィルハーモニック(1950)



LP(米ワルター協会 RR−396)
   7:19/9:05/4:53/4:01
CD1(URANIA URN 22.159)
   7:18/9:05/4:52/4:00
CD2(Guild GHCD2354)
   7:17/9:05/4:52/4:00

ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
  (第1楽章リピート:ワインガルトナー版)
 フリッツ・ブッシュ指揮
  ニューヨーク・フィルハーモニック
   録音 1950年12月10日

 フリッツ・ブッシュは1890年生まれ、名ヴァイオリニスト、アドルフ・ブッシュを兄に持つドイツの指揮者でした。ナチスから逃れてアルゼンチン、ヨーロッパ、戦後はアメリカに渡っていましたが、この録音の翌年1951年にロンドンで亡くなっています。
 この録音はワルター協会から復刻されていましたが、2000年にCD化されました(LPは1981年に入手)。音質はきれいになりましたが、LPと同様音が遠くなったり近くなったり、昔のラジオの深夜放送を聞いた時のように聞こえるところがあります。また第4楽章で大幅なカットがあります。
 交響曲第5番の演奏はエネルギッシュで迫真の指揮ぶりは第1楽章の提示部のリピートで指揮台を踏む音が聞こえることからもうかがえます。第2楽章も速めのテンポでエネルギッシュに演奏しています。第3変奏の前にファゴットの音がひっくり返るのが惜しいところです。
 第3楽章は速いテンポでスリリングでした。ニューヨーク・フィルのフーガ演奏は素晴らしいものでした。
 肝心のフィナーレですが折角の良い演奏が途中の63小節から271小節までカットされていました。いきなり再現部かと思いましたが、よく聴くと62小節の次が272小節へ飛んでいました。おそらくテープ原盤に問題があったのでしょう。LPもCDも全く同じでした。そのコーダは凄まじい熱気でした。最後のフェルマータで指揮棒が降りないうちから拍手が起きていました。

 なお、LPではB面にデンマーク放送との「第九」の第4楽章が収録されていましたが、CDの2枚組には全曲が収録されていました。また同じオーケストラでイタリアとレオノーレ第2番が聴けるのもうれしいことです。ジャケットの写真はLPの裏返しの写真がCDになっています。


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