1960〜1979年の演奏


ルネ・レイボヴィッツ/ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団


CD1(CHESKY CD17)
 ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
  6:49/8:51/4:37/8:12 
  (第1楽章リピート:ワインガルトナー版)
LP(RDSONIC 33S-1)
 ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
  6:51/8:54/12:51
 (第1楽章リピート:ワインガルトナー版)
CD2(Scribendum SC 041)
 ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
  (第1楽章リピート:ワインガルトナー版)

 ルネ・レイボヴィッツ指揮
  ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
  録音1961年4月12&13日 

 この録音はリーダーズ・ダイジェスト社(世界的な月刊誌)が会員への頒布のために録音したたくさんの録音の中の1枚です。ルネ・レイボヴィッツはフランスの作曲家兼指揮者ですが、このシリーズにはベートーヴェンの交響曲全集の他、ストラヴィンスキーやラヴェル、ムソルグスキーの作品などがありました。
 レイボイヴィッツによる交響曲第5番の演奏はアナログ録音の中では最も速い演奏と言われていました。トータル28分29秒という演奏時間はトスカニーニの29分をはるかに超えたスピードです。1楽章をリピートで6分代の演奏は最近では珍しくありませんが、フルトヴェングラー、カラヤン、ワルター、ベームなど巨匠の時代には珍しく貴重な録音でした。(トスカニーニは1938年のライヴでは28分で演奏していました)
 演奏は緊張感に満ちた見事な演奏です。アナログ時代の名演として覚えておきたい演奏です。アメリカのCHESKYから復活したのは嬉しいことです。
 LPを聴きました。第1楽章は運命の動機のフェルマータのあとに間をおかずに演奏しています。作曲家らしい解釈で、一糸乱れず進んでいくのは好感をもてました。インテンポでまるでメトロノームが指揮してるかのようです。ここまで運命の動機にこだわらない演奏も爽快です。当時としては異色ですが、現代では当たり前ですから時代を先取りしたような名演です。
 第2楽章も指定のテンポだ速く感じますがさわやかな演奏です。第4楽章まで聴いてくるとなんとなく体がベートーヴェンの音楽に浸っているのが楽しくなり、感動してきます。隠れた名演奏が現代に蘇ってきたような気がしました。
 CD2は全集です。


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