1950年代の演奏

フランツ・コンヴィチュニー/ライプツィヒ放送交響楽団(1951)
CD(FORLANE UCD16674/75)2枚組

コンヴィチュニー/ベートーヴェン/交響曲選集
1.交響曲第4番変ロ長調Op60
2.交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
(演奏時間7:22/10:57/5:19/8:24)
(第1楽章リピート:ワインガルトナー版)
3.交響曲第9番ニ短調Op125「合唱付」

  ハンネローレ・クーゼ(ソプラノ)(3)
  エヴァ・フライシャー(コントラルト)(3)
  ロルフ・アプレック(テノール)(3)
  ハンス・クラーマー(バス)(3)
  フランツ・コンヴィチュニー指揮
   ライプツィヒ放送交響楽団
   ライプツィヒ歌劇場合唱団(3)
   1950年代録音(1&3)
   1951年録音(2) 

 コンヴィチュニーがライプツィヒ放送交響楽団を指揮した貴重なベートーヴェンの録音です。
 交響曲第4番はゲヴァントハウス盤同様緻密で重厚な響きの名演です。
 交響曲第5番「運命」は冒頭から厚みのある響きで突き進むコンヴィチュニーならではの演奏です。ホルンのファンファーレは強奏が見事です。展開部の管と弦の響きも素晴らしいものがります。再現部のファゴットのファンファーレはホルンが吹いています。ティンパニの活躍も聞き物です。コーダでは運命の主題の強調と長いフェルマータがあります。その後の結尾でテンポアップしています。第2楽章はゆったりとしたテンポで丁寧に歌っています。第3楽章はホルンの主題が強烈の響きです。フーガは速いテンポで素晴らしい演奏です。フィナーレはやや速いテンポで厚みのある響きを出しています。ホルンの強奏も見事です。第3楽章の回帰でテンポを落とすのでその演奏効果は抜群でしょう。再現部からコーダも緊張感あふれる演奏です。
 交響曲第9番「合唱付き」はモノラルながらその響きの良さは素晴らしく、演奏の完成度はゲヴァントハウスのスタジオ盤を凌ぐのではないでしょうか。第1楽章の荘重な響きには圧倒されます。残響の豊かなホールで、思わず聞き惚れます。展開部のクライマックスはティンパニが凄いです。第2楽章の演奏も緊張感のある緻密な演奏で、ティンパニの強打も素晴らしい。第3楽章は弦楽の美しさと管楽器の響きが見事です。フィナーレの「オー・フロイデ」を聞くだけでも感動します。


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