1950年代の演奏

オイゲン・ヨッフム/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(1951)
CD(DECCA PROC-2018)

1.R・シュトラウス/交響詩「ドン・ファン」Op20
2.   〃   /楽劇「ばらの騎士」から 第2ワルツ
3.   〃   /楽劇「ばらの騎士」から 第1ワルツ
4.  〃  /交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの
               愉快な悪戯」Op28
5.ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
   7:48/11:22/5:43/8:46
   (第1楽章リピート:ワインガルトナー版)

 オイゲン・ヨッフム指揮
 ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(1〜4)
  ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(5)
 録音1951年5月28〜30日(5)
    1960年6月10&11日(1&4)
    1960年9月(2&3)

 オイゲン・ヨッフムがロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団とベルリン・フィルハーモニー管弦楽団を指揮したリヒャルト・シュトラウスとベートーヴェンの録音です。
 リヒャルト・シュトラウスの交響詩「ドン・ファン」は大編成の名曲です。冒頭から迫力があります。ヴァイオリンのソロもきれいです。弦楽の厚み、フルートの良い響き、オーボエの良い響きとホルンの美しい響きも聴かれます。中間部のホルンのユニゾーンの力強い響きも凄いです。後半の勢いのある力強い演奏も素晴らしいです。ホルンも厚い響きが聴かれます。
 楽劇「ばらの騎士」の 第2ワルツは華麗な響きの見事な演奏です。オーケストラの響きの良さはさすがです。
 楽劇「ばらの騎士」の 第1ワルツはホルンの力強い響きに始まる名曲です。強弱のあるきれいな部分は木管がきれいな主題を歌います。弦楽が盛り上がってきます。後半もきれいな演奏です。ヨッフムの指揮は素晴らしいです。
 交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯」はリヒャルト・シュトラウスの名作交響詩です。序奏まもなくホルンでティルの主題が演奏されます。この主題がこの曲のメイン主題です。大きなオーケストラの響きの良さとヴァイオリン・ソロの美しい響きは見事です。中間部の圧倒的な迫力、そしてフルートの響きに続いてホルンがティルの主題を元気に演奏します。後半の迫力は素晴らしいです。終結の見事な演奏、これは素晴らしい演奏です。

 ベートーヴェンの交響曲第5番ハ短調「運命」は冒頭の重厚な響きとたっぷり伸ばすフェルマータが見事です。ホルンのファンファーレもよい響きです。展開部の弦楽と管楽器の良い響き、ホルンと木管のかけあいはきれいです。オーボエのカデンツァもきれいです。再現部のファゴットのファンファーレはホルンだけで演奏しているように聞えました。コーダ最後のフェルマータの後ではたっぷりと間を取っています。見事な演奏です。第2楽章はやや遅めのテンポで始まります。全合奏は圧倒的な迫力です。第1変奏は弦楽の良い響き、フルートの美しい響きが素晴らしいです。第2変奏は弦楽の響きの良さとクラリネットとファゴットの対話がきれいです。木管四重奏は大変美しい響きです。クライマックスは圧倒的な迫力です。第3変奏の木管は大変きれいな演奏です。第4変奏のファゴットもきれいです。終結は感動的です。第3楽章は序奏のあとのホルンが良い響きです。フーガは弦楽器の力強い演奏が素晴らしいです。後半の美しい響きは見事な演奏です。フェルマータまでの緊張感もあります。第4楽章は冒頭から重厚な響きで見事な演奏です。ホルンもきれいに響きます。展開部では弦楽のうまさ、管楽器の響きが素晴らしい。トロンボーンは良い響きです。第3楽章の回想もきれいです。クラリネットやオーボエがきれいな響きです。再現部は素晴らしい盛り上がりをみせます。金管は良い響きです。コーダの和音の連続、ファゴットに続くホルンの主題がきれいです。ピッコロも良く響きます。プレストからの緊張感は見事で息をもつかせぬ圧倒的な演奏です。素晴らしい演奏です。


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