1980〜1999年の演奏

クルト・ザンデルリンク/フィルハーモニア管弦楽団(1981)
CD(EMI WHS5683972)

1.ベートーヴェン/「エグモント」序曲Op84
2.   〃   /交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
     (第1楽章リピート:ワインガルトナー版)
3.   〃   /交響曲第8番ヘ長調Op93

  クルト・ザンデルリンク指揮
    フィルハーモニア管弦楽団
  録音 1981年1月4〜7日(2)
      1981年1月8〜10日&12〜17日(3)
      1981年2月4&6日)(1)

 ザンデルリンクのベートーヴェン/交響曲全集からの1枚です。
 「エグモント」序曲は重厚な響きですが悲劇的な響きとまではいかにようで明るさが感じられます。
 交響曲第5番「運命」第1楽章は冒頭のフェルマータが短く、ことさらに強調しないで演奏しています。ホルンの力強いファンファーレは実に素晴らしい響きです。再現部の弦楽と管楽器のきれいなレガートが好印象をうけます。ファゴットのファンファーレにはホルンを重ねています。終結への厚い響きが実に素晴らしい。第2楽章は程よいテンポで主題を丁寧に歌っています。木管楽器の響きがきれいです。第3変奏の8分音符は短く演奏しています。終結は厚みがあります。第3楽章は遅めの序奏に続くホルンの力強い主題が素晴らしい。フーガの弦楽の響きが素晴らしい。フィナーレは厚みのある演奏で弦楽の響きが特に素晴らしいです。展開部では木管の美しさと弦楽のきれいなレガートが素晴らしい。第3楽章の回想がさわやかです。再現部の演奏もまたきれいです。コーダの和音、ホルンのきれいな主題、そしてプレストからの重厚な和音が見事です。
 交響曲第8番はさわやかな響きの演奏です。第1楽章が楽しく聞こえます。第2楽章の弾むようなスケルツァンドがきれいです。メヌエットはやはりトリオのホルン二重奏がききものです。レガート奏法のホルンが大変きれいです。フィナーレは弦楽のきざみと管楽器の明るい響きが素晴らしい。


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