1950年代の演奏

ウィルヘルム・フルトヴェングラー/ローマ・イタリア放送交響楽団(1952)


CD1(SEVEN SEAS KICC2346)
    8:57/11:59/6:28/9:27
CD2(URANIA URN22.216)
    8:45/11:42/6:20/9:16
LP(PHILIPS SETC7501−07)
    8:54/11:47/6:26/9:20
ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
   (第1楽章リピート:ワインガルトナー版)

 ウィルヘルム・フルトヴェングラー指揮
  ローマ・イタリア放送交響楽団
   録音 1952年1月10日 

 これはフルトヴェングラーがイタリア放送に客演した時のライヴ演奏でした。LPの全集が発売されたときに収録されており、ローマ・イタリア放送との英雄、田園も同じく収録されていました。なお、LPではその後1926年のベルリン・フィルとのカップリングで再発売されていました。演奏時間は36分50秒ほどで、12種類の録音の中で最も遅い演奏です。なお、CD2はピッチが高めで、それに3、4楽章は1トラックになっています。

 交響曲第5番第1楽章の冒頭はゆったりとしたテンポで始まり、その後はテンポアップしていますが、オーケストラの力量は物足りなさを感じます。ホルンのファンファーレはまずまずでしょう。展開部も安定した演奏ながらも響きの美しさはありません。
  第2楽章は遅めのテンポです。なぜかティンパニの音が小さいのが気になりました。第3楽章は序奏でたっぷりリタルダンドをかけてました。ホルンのテーマはまずまずでしょう。
 フィナーレは壮大な響きで始まりますが、録音はやはりよくありません。ティンパニは埋もれています。再現部は弦楽器のがんばりが目立ちます。コーダの最後でもテンポの変化は少なく、最後に少し落とす程度でした。
 これはフルトヴェングラーの運命の中では最も目立たない演奏でしょう。これだけが客演指揮でした。


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