1980〜1999年の演奏

セルジュ・チェリビダッケ/シュトゥットガルト放送交響楽団(1982)
CD-R(Fkm FKM-CDR-30)

1.ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
       (リピート無し:原典版)
2.シベリウス/交響詩「エン・サガ」Op9

  セルジュ・チェリビダッケ指揮
   シュトゥットガルト放送交響楽団
  録音 1982年2月10日ライヴ(1)
      1981年11月12日ライヴ(2)

 チェリビダッケのベートーヴェン/交響曲第5番「運命」ライヴです。シュトゥットガルト放送のライヴはいくつか録音がありますがデータがはっきりしているのは少ないです。第1楽章は、チェリとしてはテンポが速い演奏です。フェルマータでディミヌエンドしています。提示部のリピートはありません。展開部においては強弱のつけかたが極端と思えるほどです。オーボエのカデンツァは装飾音(ファミレミ)を装飾音として速めに吹いているのが面白いです。再現部のファゴットのファンファーレの前の和音を弱くやんわりと演奏していますが、全体にみられるもので終結の和音もおとなしいです。
 第2楽章はゆったりとしたテンポで主題を歌っています。第1変奏、第2変奏では弦楽器と木管楽器のアンサンブルが素晴らしい。木管四重奏はゆったりと大変美しい響きでした。第3変奏の木管は遅いテンポで丁寧に丁寧に演奏しています。終結の和音もやんわりです。
 第3楽章はホルンのテーマの強奏、テヌートと印象的な演奏です。フーガは素晴らしい演奏をきかせてくれます。フィナーレは管と弦の厚みのある音で圧倒してくれます。ホルンと木管の主題も見事な響きです。展開部は金管の厚みのある響きが圧倒的です。第3楽章の回想は静かにオーボエが歌うと再現部に堂々とした響きで突入します。コーダまでの厚い響き、コーダのホルンの主題とピッコロの響きが素晴らしい。プレストから終結はチェリビダッケの叫び声が入る熱のこもった演奏です。
 シベリウスの交響詩「エン・サガ」は管楽器の美しい響き、弦楽の絶妙なアンサンブルで雄大な響きを出しています。テンポ運びもよくベートーヴェンとは異なるシベリウス独特の響き、盛り上がりがあります。


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