1930年代の演奏

アルトゥーロ・トスカニーニ/ニューヨーク・フィルハーモニック(1933)


CD1(RELIEF CRCB10019) 6:07/9:47/4:52/8:43
CD2(NAXOS 8.110801) 6:14/9:58/5:00/9:01
CD3(NAXOS 8.110840)  6:16/10:06/5:03/9:02

 ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
   (リピート無し:ワインガルトナー版)

 アルトゥーロ・トスカニーニ指揮
  ニューヨーク・フィルハーモニック
  録音 1933年4月9日 カネギーホール

 この演奏はトスカニーニが認めた演奏だけに1931年のライヴよりもはるかにアンサンブルの良いことがわかります。特に3楽章のフーガは見事なアンサンブルでした。3楽章冒頭のリタルダンドとフェルマータはトスカニーニだけの世界といえましょう。実にきれいです。
 交響曲第5番第1楽章は速めのテンポですが、フェルマータのあとにたっぷり間を置くもので独特です。一概にアレグロ・コン・ブリオにこだわったとはいえないでしょう。展開部の美しさがまたなんともいえません。コーダでは運命の主題をしっかり強調しています。
 第4楽章の雄大な演奏は素晴らしく、テンポが当時のワインガルトナーやメンゲルベルクよりも若干遅く、それだけ重厚な響きとなりました。
 この演奏は今更ながらトスカニーニの偉大さを感じました。ちなみにCD1のレリーフ盤は若干ピッチが高いです。NAXOS盤がおすすめです。


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