1980〜1999年の演奏

イーゴリ・マルケヴィッチ/ベルリン交響楽団(1982)
CD(INNOVATIVE MUSIC ORCD−11023)

1.ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
    (7:17/10:57/5:23/8:48)
     (第1楽章リピート:原典版)
2.    〃   /交響曲第8番ヘ長調Op93
3.    〃   /「プロメテウスの創造物」序曲Op43

  イーゴリ・マルケヴィッチ指揮
    ベルリン交響楽団
   録音 1982年4月3日

 マルケヴィッチは晩年ベルリン交響楽団とベートーヴェンの交響曲を録音していました。
 交響曲第「運命」は厳しい指揮棒からあふれ出る速いテンポの演奏で、フェルマータも短くて70代になっても若さを失うことなく元気な演奏です。オーケストラはマルケヴィッチの作り出すベートーヴェンを確実に表現しています。展開部はまさに素晴らしい響きです。再現部でファゴットのファンファーレはファゴットが吹いています。コーダまでの圧倒的な響きはさすがに素晴らしいものでした。第2楽章はゆったりとしたテンポで弦楽の美しさが光ります。木管四重奏では音の融合が美しい響きになっています。第3楽章の程良いテンポ、ホルンの強奏など、この楽章も光ります。フーガの演奏は低弦の厚みが見事。フィナーレの冒頭は圧倒的な響きでまさにこの曲の理想的な響きです。展開部では管楽器の響きがきれいです。第3楽章の回想から再現部も良い響きで、コーダのホルンの主題から終結まで、プレストは382小節から385小節のヴァイオリンとヴィオラのりズムの刻みもよく聴こえます。見事な演奏でした。
 交響曲第8番は速いテンポで第1楽章は演奏されます。ティンパニの強打があります。第2楽章の歯切れ良さ、メヌエットではトリオのホルンがきれいです。「プロメテウスの創造物」序曲は重厚な響きの冒頭が素晴らしい。


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