1929年までの演奏

ウィルヘルム・フルトヴェングラー/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(1926)


CD1(DGG DCI-1067) 
ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
   6:13/11:06/5:31/8:46
   (リピート無し:ワインガルトナー版) 
CD2(GreenDoor GDCS-0023)
ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
    6:12/11:04/5:30/8:44
   (リピート無し:ワインガルトナー版)
LP(PHIIPS SAMP-4) 
ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
    6:12/11:04/14:15
   (リピート無し:ワインガルトナー版)

 ウィルヘルム・フルトヴェングラー指揮
  ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
 録音 1926年10月16、30日&1927年

 これはフルトヴェングラーの初録音であると共に電気録音で初めて録音された運命でした。同時に魔弾の射手序曲も録音していました。LPはフルトヴェングラー初の全集の特典盤になっていましたが、1975年にはこの全集の中からローマ・イタリアの運命とのカップリングで1枚のLPとして発売されています。CDはこれも1994年の33枚セットの特典盤でしたので分売はありませんでした。音質はLP復刻がまったくよくなくてニキシュよりは良いといった程度でしたが、CD復刻は申し分無くていかに当時のベルリン・フィルが優秀だったかがうかがえます。CD2はSPの再生音を録音したものです。
 交響曲第5番の第1楽章は戦後の演奏とくらべると冒頭が速めです。特にテーマを強調することはなかったです。音はCDではかなりよくてノイズも少ないです。電気録音になったために強弱をつけて演奏ができるため、展開部のp(ピアノ)を弱い音で演奏していてこれが印象的でした。第2楽章はたっぷりと歌っていました。ときおりポルタメントをかけていますが、さすがに安心して聴けました。
 第3楽章はやや遅いテンポでしたがフーガのうまさは見事です。なお、後半の再現部236小節から244小節までの9小節が欠落しています。
 第4楽章は堂々とした力強い演奏でベルリン・フィルの響きが大変よく出ていました。音量も豊かです。この楽章は音が良いので1927年の録音と思われます。それにしても音の古さを忘れさせてくれる名演奏でした。 


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