1929年までの演奏
フェリックス・ワインガルトナー/ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団 |
|
|
CD(EMI新星堂 SGR−8525)
ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
6:15/7:31/4:42/8:32
(リピート無し:ワインガルトナー版)
フェリックス・ワインガルトナー指揮
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
録音 1927年1月28日〜30日
電気録音になってからの録音で、ワインガルトナーの2度目のSP録音でした。いかに録音の都合とはいってもこの演奏のテンポの速さは異常です。トータル演奏時間は27分00秒です。1楽章のリピートをしても28分35秒ですからびっくり、特に第2楽章のテンポは速すぎです。1932年の録音もリピート無しですが、29分07秒で演奏していますのでこの録音は大変早いです。
交響曲第5番の演奏ですが24年のアークスティック録音と比べると大変音がきれいになっています。第1楽章の冒頭のフェルマータは長いですが24年の録音ほどの長さではありませんでした。第2主題のポルタメントはここでもかけています。展開部は強弱をはっきりさせて見事な演奏になっています。再現部もそつなくまとめています。
第2楽章はかなり速いテンポで演奏しています。どうしたわけかこの演奏は速いのです。これはおそらく歴史上最速の第2楽章です。そのため多少アンサンブルの乱れがあります。第2変奏の弦楽器は大変だったろうと思います。テンポはもはやアレグロでした。木管四重奏があんなに速く演奏されたのを聞いたことはありません。最後まで同じテンポで演奏していました。
第3楽章も速めでリタルダンドもそこそこでした。ホルンの主題は良い響きです。トリオのフーガも大変速いテンポでびっくりします。(バティスほどではありませんが)
フィナーレも速いです。ワインガルトナーの4度の録音の中でも最も速い演奏です。オーケストラは多少アンサンブルの乱れがありましたが見事に演奏しています。コーダも一気に演奏していました。なお、この録音は初期の電気録音のためモーターの回転むらがあったらしく、時折ピッチの乱れがありました。 |
|
|
|