シューマン/アダージョとアレグロ

マイケル・トンプソン(1986〜87)
CD(BBC BBCCD641)

1.R・シュトラウス/ホルン協奏曲第1番変ホ長調
2.   〃     /ホルン協奏曲第2番変ホ長調
3.   〃     /アンダンテ
4.シューマン/アダージョとアレグロ変イ長調Op70

  マイケル・トンプソン(ホルン)
  エドワード・ダウンズ指揮
   BBCフィルハーモニー管弦楽団
  カトリーヌ・デュボワ(ピアノ)(3&4)
   録音 1986〜87年

 トンプソンがBBCに録音したリヒャルト・シュトラウスの協奏曲とアンダンテです。シューマンの「アダージョとアレグロ」もカップリングされています。リヒャルト・シュトラウスのホルン協奏曲を2曲共にスタジオ録音したのはイギリスではブレイン、タックウェルに次いで3人目でした。LPでも発売されていました。
 ホルン協奏曲第1番はタックウェルの1回目の録音のように軽快で勢いのある演奏です。なめらかで、優雅な音色はイギリスのホルンらしく美しい響きがたまりません。第1楽章の最後に強奏するフレーズも素晴らしい。第3楽章ロンドの速いテンポがまた流麗です。
 ホルン協奏曲第2番は冒頭のソロが表現力豊かで滑らかな演奏が素晴らしい。高音から低音まで安定した響きです。第3楽章のロンドでは強弱のメリハリをつけた演奏で、こちらも完璧な演奏です。文句なしの名演奏といえましょう。
 「アンダンテ」はイギリスでは初めての録音でした。トンプソンは1991年に再録音していますが、こちらの滑らかな演奏は数ある録音の中にあって輝く演奏といえましょう。美しい歌になっています。
 シューマンの「アダージョとアレグロ」はブレインの演奏でお馴染みですが、トンプソンの演奏はこの作品の美しさを表現したアダージョとテクニックを披露するアレグロのうまさが素晴らしく、かなりブレインを意識しているかのようです。なお、この曲もトンプソンは1991年に再録音していました。


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