2000年代の演奏

小澤 征爾/サイトウ・キネン・オーケストラ(2000)
CD(PHILIPS UCCP-1047 467 371-2)

ベートーヴェン/交響曲集
1.交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
 (第1楽章、第4楽章リピート:原典版)
  6:47/8:37/5:08/10:15
2.葬送行進曲 WoO96-4
3.交響曲第2番ニ長調Op36

 小澤 征爾指揮
  サイトウ・キネン・オーケストラ
  録音 2000年9月8〜10日
      長野県松本文化会館

 小澤征爾がサイトウ・キネン・オーケストラを指揮したベートーヴェンの交響曲です。
 交響曲第5番「運命」の第1楽章は良いテンポで、フェルマータはたっぷり伸ばしています。ホルンのファンファーレもよい響きですす。提示部の第2主題はきれいに響きます。展開部では弦楽のきれいな響き、ティンパニも良い響きです。ホルンの哀愁的もよい響きです。オーボエのカデンツァはきれいな響きです。再現部のファンファーレはファゴットです。木管も良い響きです。オーケストラは素晴らしい演奏です。ティンパニは素晴らしい響きです。コーダはフェルマータはたっぷりと伸ばして、終結部も素晴らしい演奏です。第2楽章のアンダンテ・コン・モトは程よいテンポの演奏です。主題の提示、第1変奏と全合奏の響きの良さ、第2変奏ではファゴットとクラリネットのよい響き、木管四重奏の響きの美しいこと、全合奏の厚い響き、続く第3変奏の主題もきれいな演奏です。第4変奏のファゴットが柔らかい響きできれいな演奏です。終結部のクライマックスの全合奏が素晴らしい響きです。第3楽章は序奏のフェルマータのあとのホルンの主題が素晴らしい響きです。フーガにおける弦楽の厚みのある演奏が素晴しい。フーガのあとの低弦のフレーズも素晴らしい響きです。フィナーレまでの経過部の緊張感も素晴らしいです。フィナーレは重厚な響きに始まります。木管とホルンの主題も良い響きです。提示部のリピートがあります。素晴らしい演奏です。展開部もよい響きです。木管が良い響きです。トロンボーンもきれいに響きます。ティンパニも良い響きです。第3楽章の回帰はクラリネットとオーボエがきれいに歌います。再現部は整然とした演奏そしてティンパニの良い響きがあります。コーダのホルンの主題とピッコロの明るい響きが印象的です。プレストからの迫力は見事です。フェルマータはしっかり伸ばしています。素晴らしい演奏です。拍手したくなります。

 「葬送行進曲」は舞台劇「レオノーレ・プロハスカ」のための音楽から第4曲になります。重々しい響きに始まります。管楽器とティンパニが良い響きです。中間部の全体的な演奏は素晴らしいです。後半もティンパニがよい響きで、見事な演奏です。

 交響曲第2番は第1楽章の序奏では気迫に満ちた演奏、主部のアレグロ・コン・ブリオは勢いのある演奏で、オーケストラの統率されたアンサンブルは見事なものです。ティンパニは良い響きです。展開部から再現部の演奏も素晴らしいです。ホルンも良い響きです。第2楽章のラルゲットは弦楽のきれいな響きに始まります。木管がきれいに歌います。これは美しい演奏です。中間部のホルンも良い響きです。終結の素晴らしい響き、ホルンのきれいな響きと見事な演奏です。第3楽章のスケルツォは快適な演奏で、ティンパニも良い響きです。木管とホルンが良い響きです。トリオの演奏も素晴らしいです。第4楽章はアレグロ・モルトで、勢いのある演奏です。木管の素晴らしい響き、弦楽の見事な響きと素晴らしい演奏です。中間部のホルンも良い響きです。終結部も圧巻の演奏です。小澤のベートーヴェンは素晴らしい名演です。


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