ウェーバー/コンチェルティーノ

ズビニェフ・ツーク(1993)

CD(Zuk Records 100955)

ホルン・ロマンティックス
1.ウェーバー/コンチェルティーノ ホ短調Op45
2.キール/ホルン協奏曲ヘ長調Op23
3.シューマン/アダージョとアレグロOp70
         (アンセルメ編)  
4.R・シュトラウス/ホルン協奏曲第1番変ホ長調

  ズビニェフ・ツーク(ホルン)
  ミヒャエル・ヘルツェル指揮
    クラクフ放送交響楽団
   録音 1993年2月24〜27日

 このCDはツークの師ヘルツェルの指揮によるものでした。クラクフはポーランド南部の都市で、ワルシャワ、ウッチにつづく第三の都市です。歴史があり、ワルシャワに首都を遷す前はポーランド王国の首都でした。クラクフ放送交響楽団の演奏は初めて聴きます。
 ツークの演奏はどの曲も大変な名演を繰り広げています。ウェーバーでは低音から高音まで安定した音量と音色で吹いています。ポラッカのテクニックも、カデンツァの重音奏法も完璧です。
 クレメンス・アウグスト・キール(1813〜1871)はヴァイオリンと作曲法をシュポアに学んだ人です。曲は当時ヴァルブホルンが発明されて間もないころに作曲されました。冒頭のオーケストラがまるでシューマンのヴァイオリン協奏曲のようでした。ホルン・ソロは大変な難曲で、息継ぎに苦労するようなフレーズが続きます。曲は大変ロマンティックで、この曲の録音をしてくれるホルン吹きが他に出てもらいたいです。第3楽章はサン=サーンスの演奏会用小品を聴いているような思いでした。
 シューマンのアダージョとアレグロはエルネスト・アンセルメがエドモン・ルワールのために編曲した楽譜を使用しています。かつてバウマンも録音していました。ツークの演奏はバウマンと肩を並べる名演です。オーケストラの美しさも格別です。
 R・シュトラウスの1番は名曲だけに名演揃いですがツークの演奏もまた明るく安定したホルンで素晴らしい演奏です。アンダンテのなめらかなスラーは見事です。ロンドも文句無しの演奏です。気分爽快な演奏です。(2枚はデザイン違いですが番号は同じです) 


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