1950年代の演奏
ウィルヘルム・フルトヴェングラー/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(1954-1) |
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CD(Elaboration ELA-901)
ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
8:10/10:49/6:00/8:38
(第1楽章リピート:ワインガルトナー版)
LP(CETRA SLL5001/2)
ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
8:09/10:46/14:38
(第1楽章リピート:ワインガルトナー版)
ウィルヘルム・フルトヴェングラー指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
録音 1954年5月4日 パリ・オペラ座
これはフルトヴェングラー晩年の1954年、亡くなる半年前のヨーロッパ演奏旅行のときのパリ・オペラ座のライヴ演奏です。この年にはウィーン・フィルとのスタジオ録音という名盤を残しているだけに演奏会の時はどんな演奏をしていたのか興味深いです。CDは海賊盤ですがなかなかクリアな音でした。
交響曲第5番は第1楽章の運命の動機はフルトヴェングラーとしては速めのテンポで入り、同じテンポで通していました。パリの聴衆には明るく聴いてもらいたいというのでしょうか。ただしコーダの最後の運命の動機はしっかり強調していました。終結のオーボエが美しく響いていました。
第2楽章は美しい響きです。抑えのきいた金管とティンパニは繊細に聞えました。聴けば聴くほどいい演奏です。第2変奏も見事、第3変奏の木管のメロディーも美しく響きます。
第3楽章はゆったりと入りますが、ホルンの主題をスタッカートさせているのは珍しいです。トリオのフーガは見事でした。フィナーレまでの緊張感は素晴らしく、フィナーレに突入するとテンポを動かしながら盛り上げていました。提示部は聞き物です。再現部も同じく凄まじい音の洪水でした。コーダに入ってからプレストまで見事な演奏で、怒涛のフェルマータまでは興奮そのものでした。 |
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