1950年代の演奏

ヘルベルト・フォン・カラヤン/フィルハーモニア管弦楽団(1954)






CD1(EMI TOCE11045-49) 全集
  7:13/9:40/4:59/8:46
CD2(EMI TOCE0201) 
  7:13/9:40/4:59/8:46
CD3(エコーECC-615) 7:14/9:40/4:59/8:46
CD4(Waner 825646337354) 全集
     7:14/9:40/4:58/8:46
LP1(東芝AA-9957B) 7:13/9:41/13:44
LP2(東芝AA-7380) 7:13/9:41/13:44

 ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
   (第1楽章リピート:ワインガルトナー版)

 ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮
   フィルハーモニア管弦楽団
  録音 1954年11月9&10日

 カラヤン/フィルハーモニア管弦楽団の交響曲第5番「運命」です。CD1とCD2はブライトクランクの擬似ステレオ盤、CD3はモノラル盤、CD4は2014年発売のWaner盤モノラル全集、LP1とLP2は擬似ステレオ盤です。
 カラヤン2度目の録音で初の全集となっていました。私が初めて手にした30cmLPレコードがこのカラヤン/フィルハーモニア盤でした(LP2)。擬似ステレオでしたが、オリジナルステレオの新世界よりとカップリングになっていて、赤いレコードでした。ほこりの付かないレコードでほんとすりきれるほど聴いたものです。
 演奏は未だに色あせることなく、ブライトクランクのステレオ盤もしっかりCDになっています。この演奏はモノラルでなくても許せる名演奏です。カラヤンがこだわる「響き」の第1歩がありました。
 交響曲第5番の第1楽章冒頭から圧倒的な響きを聴かせ、ホルンの大変力強いファンファーレが全曲を支配しているかのようです。カラヤンのこの演奏で忘れてはならないのがホルンのデニス・ブレインです。随所に響くブレインのホルンは明るく、しかもタンギングも巧みであり、強くても荒れない音は魅力です。
 カラヤンの演奏はここにきてベートーヴェンの響きというものに他とは違うものを作っています。まだベルリン・フィルほどは完成されていませんが、全盛期のフィルハーモ二アで録音したベートーヴェンは後世に残る大きな遺産でしょう。
 第2楽章、第3楽章と音の厚み、弦の美しさ、またブレインの明るく力強いホルンと聴き所が目白押しです。フィナーレの壮大な音作りは絶品、コーダ前の和音をどっしりと響かせプレストに突入までが素晴らしく、ホルンのpのドルチェが透明できれいに聞えたのには驚きました。第3楽章の弦のうまさは48年のウィーン盤に一歩譲りますが、この演奏は何度聴いても飽きない名演奏です。 


トップへ
戻る
前へ
次へ