2000年代の演奏

クラウディオ・アバド/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(2001)


DVD(TDK TDBA-0042)
CD(DGG 479 2259)全集

DVD
1.ベートーヴェン/交響曲第2番ニ長調Op36
2.    〃  /交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
  (第1楽章、第3楽章、第4楽章リピート:
         ベーレンライター版)
 クラウディオ・アバド指揮
   ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
  録音 2001年2月12日
    聖チェチーリア音楽院ホール・ライヴ
CD3/ベートーヴェン/交響曲全集より
1.交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
  (第1楽章、第3楽章、第4楽章リピート:
        ベーレンライター版)
  7:20/9:25/7:59/10:24
2.交響曲第6番ヘ長調Op68「田園」

 クラウディオ・アバド指揮
   ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
  録音 2001年2月12日(1)
      2001年2月7&8日(2)
   聖チェチーリア音楽院ホール・ライヴ

 このDVDはアバド3度目になるベートーヴェン交響曲全集の1枚です。アバドが故郷イタリアのローマでベルリン・フィルを指揮した演奏です。コンサートマスターは安永徹です。
 交響曲2番では緊張感のある第1楽章と流麗な第2楽章が素晴らしい。交響曲第5番「運命」第1楽章は速いテンポで力のこもった演奏です。シュテファン・ドールらのホルンが素晴らしい音を出しています。
 それにしてもこの映像は2001年のものですが、メンバーの若返りが目につきます。
CD3
 交響曲第5番は速いテンポの第1楽章はベートーヴェンの指定した速度そのものです。颯爽とした演奏はまさに「運命」そのものです。実にきめ細かな演奏です。ホルンのファンファーレは見事な響きです。展開部は弦楽と管楽が良い響きです。オーボエのカデンツァはきれいな響きです。再現部のファンファーレはファゴットです。それからコーダまでが見事な演奏です。ティンパニが重厚な響きです。第2楽章はのアンダンテは程よいテンポです。素晴らしい主題の演奏です。木管も良い響きです。第1変奏の響きの良さは木管も同様です。第2変奏では弦楽の良い響きとクラリネットとファゴットの響きがきれいです。木管四重奏は大変美しい響きです。クライマックスの重厚な響き、第3変奏の木管も素晴らしい演奏です。コーダは見事な演奏です。第3楽章は序奏のあとのホルンの強奏が素晴らしいです。速めのテンポのフーガはさすがにベルリン・フィルです。とにかく素晴らしい演奏です。リピートしても変わりません。そしてこの版は冒頭にリピートして再度この演奏が聴かれます。後半のフィナーレへの経過部は弦楽と管楽の緊張感があります。クレッシェンドが盛り上がります。第4楽章は大変重厚な響きを出しています。木管による第2主題もきれいです。提示部のリピートはまたしてもうまさを見せつけてくれます。管と弦の絶妙なバランスが素晴らしいです。展開部のフルートが良い響きです。トロンボーンも同様です。第3楽章の回帰はオーボエがきれいです。再現部は各楽器が良い響きです。コーダの和音、そしてホルンの主題がきれいです。ピッコロも素晴らしい響きです。プレストからは圧倒的な響きです。ティンパニの重厚な響きには感動です。素晴らしい演奏です。

 交響曲第6番「田園」は第1楽章は良いテンポです。主題は表情豊かに演奏しています。木管の響きはやわらかで美しいです。ホルンもきれいな響きです。提示部のリピートがあります。展開部の主題の連続はきれいで楽しいです。再現部は流麗な演奏で素晴らしい響きです。ホルンも良い響きです。コーダのクラリネット、フルートへの流れもきれいです。第2楽章「小川のほとりの情景」はやや速めのテンポで進みます。流れのはやい小川のようです。クラリネットとファゴットの主題が大変きれいに流れます。中間部のオーボエやフルートが小鳥の鳴き声のように聞こえます。コーダの夜うぐいす(フルート)、うずら(オーボエ)、カッコー(クラリネット)の演奏は良い響きです。第3楽章は「田舎の人々の楽しい集い」きれいなスケルツォで、ホルンの和音がよく響きます。オーボエ、クラリネット、ホルンと続く主題の流れはきれいです。ホルンのソロは素晴らしい演奏です。第4楽章「嵐と雷雨」ではティンパニの強打、豪雨の表現が見事です。ティンパニの重厚な音は凄いです。コーダの遠雷からオーボエの響きがきれいです。第5楽章の「嵐のあとの感謝の気持ち」はクラリネットに続くホルンの美しい響きが大変素晴らしいです。そして「牧人の歌」は喜びにあふれています。ホルンの角笛、主題の変奏もよい響きになって素晴らしい演奏です。コーダはホルンのソロがきれいに響きます。よい演奏です。


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