2000年代の演奏

ジャック・マルティン・ヘンドラー/ソリスト・ユーロペアン・リュクサンブール(2001)
CD(SEL CLASSICS SEL01.04−075)

 ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
   7:59/10:12/5:23/9:00
   (第1楽章リピート:原典版)

  ジャック・マルティン・ヘンドラー指揮
   ソリスト・ユーロペアン・リュクサンブール
   録音 2001年3月  
     ルクセンブルク音楽院ライヴ 

 ルクセンブルクの室内オーケストラによる「運命」の演奏です。大変きれいな演奏です。録音もさることながら見事に統率された一糸乱れぬアンサンブルです。スコア通りに強弱をはっきりとつけた演奏でピアノはまさにピアノで演奏されています。
 交響曲第5番の第1楽章は速すぎずほど良いテンポです。室内オーケストラのきれいなアンサンブルだけに第2主題のピアノからクレッシェンドしていくところは見事でした。管楽器と弦のバランスがとても良い録音です。
 第2楽章は弦楽器が見事に調和されておりホールの良さが生きています。管楽器の美しさも聞きものでしょう。
 第3楽章は序奏のリタルダンド、フェルマータがきまっています。ホルンのテーマからは生き生きしたテンポですすんでいます。フーガは乗りに乗っています。
 第4楽章は堂々とした重量感あふれる響きを出しています。ソリストの目立つプレイはありませんが室内アンサンブルの理想的な響きが完成された演奏として特筆されて良いでしょう。またベーレンライター版が一般的になってもこのような素晴らしい演奏があることも忘れたくないものです。心地よいテンポの演奏です。


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