アントン・ライヒャのホルン作品

2つのホルンとファゴットのための12の三重奏曲/ティルシャル兄弟(1988)
CD(SUPRAPHON COCO-75374)

1.ライヒャ/2つのホルンとファゴットのための
           12の三重奏曲Op93
2.ベートーヴェン/管楽器のための六重奏曲
                変ホ長調Op71
3.  〃    /オーボエ、3つのホルンと
      ファゴットのための五重奏曲変ホ長調

   ズデニェク・ティルシャル(ホルン)(1〜3)
   ベトジヒ・ティルシャル(ホルン)(1〜3)
   フランティシェク・ヘルマン(ファゴット)(1〜3)
   ルドルフ・ベラーネク(ホルン)(3)
   ヴァーツラフ・キジヴァート(クラリネット)(2)
   ズデニェク・テサシュ(クラリネット)(2)
   ヴィレーム・ホラーク(ファゴット)(2)
   イルジー・ミフレ(オーボエ)(3)
    録音 1988年5月24&25日

  ライヒャのホルン作品といえばホルン吹きのバイブルともいえる24のホルン三重奏曲が有名で度々演奏されますが、ライヒャはパリで活躍していた当時、2つのホルンとファゴット(バスーン)のための12の三重奏曲も作曲していました。24の三重奏曲には2本のホルンとファゴットのための版があるようです。また12の三重奏曲はドープラが3つのホルンのために編曲した版があるそうでこの版でも聞いてみたいものです。
  2つのホルンとファゴットのための12の三重奏曲は第1巻(6曲)第2巻(6曲)になっていて、それぞれは組曲のようになっています。2つのホルンの響きとファゴットの織りなす響きは優雅なものです。ティルシャル兄弟の明るいホルンとファゴットの響きの違いは聞くほどに違和感がなくなります。ファゴットは3番ホルンとも違う存在感があります。24の三重奏とは違うライヒャの音楽の素晴らしさを感じます。
  ベートーヴェンの管楽器のための六重奏曲は4つの楽章から構成されています。チェコの管楽器の響きの明るさが独特の音楽を作り出しています。オーボエ、3つのホルンとファゴットのための五重奏曲はベートーヴェンの初期の作品ですが、ホルンを3本使う編成は当時優秀なナチュラルホルン奏者がいたのでしょうか。このプラハの演奏家たちの作り出す響きは他の演奏とは一線を画すものでこれほどの名曲だったのかと思わず聞きほれてしまうほどの名演です。
  ズデニェク・ティルシャルは2006年に61歳の若さで亡くなりましたが大変素晴らしい録音を残してくれたことに感謝です。


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