1960〜1979年の演奏


エルネスト・アンセルメ/スイス・ロマンド管弦楽団(1966)
CD(CASCAVELLE VEL3126) 

1.ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第5番
               変ホ長調Op73「皇帝」
2.   〃   /交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
      (第1楽章リピート:ワインガルトナー版)

  ルドルフ・ゼルキン(ピアノ)(1)
  エルネスト・アンセルメ指揮
   スイス・ロマンド管弦楽団
  録音 1966年4月27日ライヴ

 アンセルメの貴重なライヴ録音です。このCDは大変きれいなステレオ録音で残されていました。ドイツの名ピアニスト、ルドルフ・ゼルキンの「皇帝」は目のさめるようなピアノです。ゼルキンは「皇帝」を何度か録音していますがライヴ録音は少ないと思われます。この名演が聞かれるのはうれしいです。
 アンセルメはベートーヴェンの交響曲全集を録音していますが「運命」は2つのライヴ録音があります。このCDはその中でもステレオ録音で演奏、音質ともによいアルバムです。
  交響曲第5番「運命」は第1楽章冒頭の弦の厚みのある響きが素晴らしい。第2主題でテンポを落とすことは当時よくありました。再現部ではファゴットのファンファーレをホルンで吹いています。第2楽章はゆったりとしたテンポで主題を歌っています。木管四重奏は大変良い響きを出しています。フルートの響きがきれいです。第3楽章は序奏のフェルマータが長めです。フーガの演奏は弦の見事な演奏が光ります。フィナーレの冒頭は厚い響きを出しています。弦と管楽器のバランスが素晴らしい。展開部の響きもよく、第3楽章の回想から再現部も同様。コーダのホルンの主題は実にきれいです。プレストからは圧倒的な演奏でした。最後にティンパニの一打があります。


トップへ
戻る
前へ
次へ