2000年代の演奏

秋山 和慶/広島交響楽団(2002)
CD(TOBU RECORDINGS TBRCD0113/0118-2)全集

ベートーヴェン/交響曲全集
CD3
1.交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
  (第1楽章リピート:原典版)
 7:38/9:47/5:18/8:42
2.交響曲第6番ヘ長調Op68「田園」

  秋山 和慶指揮
   広島交響楽団
  録音 2002年10月31日(1)
      2003年2月19日(2)
  アステールプラザ大ホール・ライヴ

 秋山和慶が広島交響楽団を指揮したベートーヴェンの交響曲全集の中の1枚です。
 交響曲第5番「運命」は程よいテンポの第1楽章は冒頭からきれいな演奏で、フェルマータも良い長さです。ここでは緻密な演奏をきかせています。ホルンのファンファーレは良い響きです。展開部では弦楽と管の見事な交錯があります。オーボエのカデンツァはきれいな演奏です。再現部のファンファーレはファゴットで吹いています。コーダへの経過部の響きは厚みがあって迫力があります。コーダは圧倒的で切れ目なく終結します。第2楽章はやや速めのテンポですが表情豊かに歌う主題がきれいです。また木管が大変きれいに響いています。低弦も良い響きです。第1変奏の上に木管が美しい響きを出してくれます。第2変奏も素晴らしい演奏でファゴットとクラリネットが良い響きです。木管四重奏は流麗で大変よく響きます。そのあとのクライマックスは重厚な響きです。第3変奏の木管の響きは見事です。コーダも見事な演奏です。 第3楽章は序奏で絶妙なリタルダンドとホルンの主題がきれいです。フーガは低弦の厚みと見事な演奏が素晴らしい。後半の低弦のうまさ、フィナーレまでの経過部のきれいなこと、フルートも良い響きです。フィナーレは重厚な響きが冒頭で聞かれます。ホルンと木管の主題も厚みがあります。展開部では弦楽のうまさ管楽器の響きが素晴らしい。トロンボーンは良い響きです。第3楽章の回想もきれいです。オーボエが素晴らしい響きです。再現部は素晴らしい盛り上がりをみせます。金管は良い響きです。コーダの和音の連続、ホルンの主題がきれいです。ピッコロも良く響きます。プレストからの緊張感は見事で息をもつかせぬ圧倒的な演奏です。最後のフェルマータが長いです。これは素晴らしい演奏です。
 交響曲第6番「田園」は第1楽章は良いテンポです。主題は表情豊かに演奏しています。木管の響きはやわらかで美しいです。ホルンもきれいな響きです。提示部のリピートはありません。展開部の主題の連続はきれいで楽しいです。再現部は流麗な演奏で素晴らしい響きです。コーダのクラリネット、フルートへの流れもきれいです。第2楽章「小川のほとりの情景」は程よいテンポで進みます。クラリネットとファゴットの主題が大変きれいです。中間部のオーボエやフルートが小鳥の鳴き声のように聞こえます。コーダの夜うぐいす、うずら、カッコーの演奏は良い響きです。第3楽章は歯切れ良い演奏で、ホルンの和音がよく響きます。オーボエ、クラリネット、ホルンと続く主題の流れは見事です。第4楽章「嵐と雷雨」ではティンパニの強打、豪雨の表現が見事です。ティンパニの重厚な音は凄いです。コーダの遠雷からオーボエの響きがきれいです。第5楽章の「嵐のあとの感謝の気持ち」はクラリネットに続くホルンの美しい響きが素晴らしいです。そして「牧人の歌」は喜びにあふれています。主題の変奏もよい響きになって素晴らしい演奏です。コーダはホルンのソロがきれいに響きます。よい演奏です。


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