1980〜1999年の演奏

ハインツ・レーグナー/読売日本交響楽団(1987)
CD(Deutsche Schallplatten 32TC-227)

1.ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
     (7:34/10:13/5:36/8:47)
     (第1楽章リピート:原典版)
2.グルック/歌劇「アウリスのイフィゲニア」序曲

  ハインツ・レーグナー指揮
   読売日本交響楽団 
   録音 1987年10月10〜12日
   武蔵野音楽大学ベートーヴェンホール

 レーグナーは読響とベートーヴェンの交響曲全集を録音していました。このアルバムはその中の1枚で単独発売です。
 交響曲第5番「運命」の第1楽章は軽快なアレグロ・コン・ブリオです。厚みのある響き、統率されたオーケストラの見事なアンサンブルはホールの良さもあって大変素晴らしい演奏になっています。展開部の弦と管の交錯が聞き物です。このような絡み合いは他では聞かれません。再現部のファゴットのファンファーレはファゴットで演奏しています。コーダの運命の主題の強調、テンポの落とし方はレーグナーらしいところです。第2楽章は主題の歌い方、管楽器のテヌートなど大変印象的でこの楽章の奥深い音楽を引き出しています。第3楽章のほどよいテンポとリタルダンド、ホルンの明るい響きがきれいです。フーガの演奏も心弾むような見事な演奏です。フィナーレのテンポは速めで重厚な響きになっています。再現部からコーダの流れもよくプレストの382小節から385小節のヴァイオリンとヴィオラのりズムの刻みが明瞭に聞こえます。結尾の和音から一気に終わります。
 余白の「アウリスのイフィゲニア」序曲は弦楽の美しい響きがたまりません。カップリングとしては珍しいですが、響きの良さが素晴らしい。


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