1980〜1999年の演奏

アテクサンドル・ドミトリエフ/サンクトペテルブルク・フィルハーモニー交響楽団(1987/88)
CD(MANCHESTER CDMAN116)

1.ベートーヴェン/歌劇「フィデリオ」序曲Op72b
2.    〃   /序曲「レオノーレ」第3番Op72a
3.    〃   /「コリオラン」序曲Op62
4.    〃   /「エグモント」序曲Op84
5.ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
      (第1楽章リピート:ワインガルトナー版)

  アーノルド・カッツ指揮
   ノヴォシビルスク・フィルハーモニー交響楽団(1〜4)
  アテクサンドル・ドミトリエフ指揮
   サンクトペテルブルク・フィルハーモニー交響楽団(5)
  録音 1987/88年

 ソビエト連邦時代の録音です。ノヴォシビルスクと当時のレニングラード・フィルの演奏です。
 アーノルド・カッツの序曲集はいずれも丁寧に指揮したもので、レオーノーレ序曲やコリオランは十分楽しめます。
 ドミトリエフの「運命」はムラヴィンスキーを思わせるテンポの速さと気迫が感じられる凄い演奏です。第1楽章の演奏時間6分53秒は速いです。ホルンのファンファーレは力強いです。展開部も勢いがあり爆演に近いです。再現部のファゴットのファンファーレはホルンが吹いています。コーダへの熱い演奏はロシア的といっても良いかもしれません。第2楽章はやや速めのアンダンテです。木管楽器の響きは大変きれいです。トランペットは強烈です。第3楽章はホルンの主題がいかにもロシア的でテヌートで強奏しています。またそのあともホルンのsfが強烈に響きます。フーガの演奏は弦楽の厚みが素晴らしいです。速いテンポの演奏はさすがにレニングラードはうまいです。
 フィナーレは重厚な響きですがここでもトランペットの強奏が目立ちます。またホルンと木管の主題はホルンが強烈に響きます。展開部はかなりの爆演でロシア的な響きになっています。再現部は熱い演奏が続きます。コーダではホルンの主題のあとにピッコロがよく響きます。プレストへのアッチェルランドが絶妙です。終結の圧倒的な演奏は素晴らしいです。


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