1960〜1979年の演奏
グレン・グールド(ピアノ)(リスト編)(1967〜68) |
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CD1(SONY SMK52636)
ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
5:55/14:28/7:00/11:31
(リピート無し:リスト編)
CD2(SONY 88697130942−30)
ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
5:55/14:28/7:00/11:31
(リピート無し:リスト編)
グレン・グールド(ピアノ)
録音1967年11月22日
1967年12月5、7、28&29日
1968年1月8日
グレン・グールドによって初めて世に出たリスト編曲のピアノ版による「運命」でした。第1楽章の速いテンポの演奏からグールドの演奏は速いと言うイメージがありましたが、速いのは第1楽章だけでした。第2楽章の14分28秒というのはオーケストラでは考えられない遅いテンポです。リピート無しで全曲38分54秒はカツァリスよりも遅いのです。しかもカツァリスは第1楽章と第4楽章をリピートしていても36分50秒でした。
第1楽章は速いテンポで重厚な冒頭そしてかろやかな主題が見事です。リズムが単純なために速いテンポで弾けるのでしょう。第2楽章のアンダンテ・コン・モトはアダージョのような遅いテンポでゆっくりゆっくり弾いています。これによって内声部のこまかな動きがわかります。もしもこれがオーケストラなら息が続かないかもしれません。ピアノだからこそべートーヴェンの音楽の美しさを表現できるのでしょう。
第3楽章は7分という遅いテンポの演奏です。ゆったりとした足取りのアレグロです。フーガは実にきれいな演奏です。第4楽章はこちらもどっしりとした演奏で、遅いテンポの堂々とした重厚な響きです。展開部から再現部も細やかな動きがはっきりとわかる演奏です。
これはグレン・グールドを見直すこと請け合いでしょう。ピアノ作品として鑑賞できる素晴らしい演奏です。 |
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