1960〜1979年の演奏


ハンス・シュミット=イッセルシュテット/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽


CD1(LONDON KICC 6025/30)全集
 ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
  (第1楽章リピート:ワインガルトナー版)
CD2(LONDON 421-166-2)
 ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
  8:07/10:28/6:01/8:57
  (第1楽章リピート:ワインガルトナー版)
CD3(DECCA UCCD-7012)
 ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
  8:07/10:28/6:01/8:57
  (第1楽章リピート:ワインガルトナー版)

  ハンス・シュミット=イッセルシュテット指揮
   ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
  録音1968年9月 ソフィエンザール

 ウィーン・フィルによる初のステレオ録音による全集でした。これもベートーヴェン生誕200年に合わせて録音されたようです。イッセルシュテットはレコード録音が少なく、ベートーヴェン全集とブラームス全集以外はモーツァルト数曲とコンチェルト伴奏くらいしか残っていません。しかしこのベートーヴェンの交響曲全集はどれも素晴らしく、金字塔といわれていました。
 交響曲第5番は第1楽章冒頭からなぜかほっとする懐かしい響きが聞えてきました。ソフィエンザールの残響がなんともいえません。「これが運命だ」と思いました。ウィーン・フィルならではの響きが聞えます。ウィンナホルンの響きも魅力です。聴きほれてしまいます。オーボエのカデンツァも素晴らしいです。この第1楽章は力強さとやさしく包み込む温かさを感じます。
 第2楽章も弦楽器と木管の美しさはいうことありません。木管四重奏も見事です。気が付いたのは167〜173小節で第3変奏の木管が8分音符を延ばさずにスタッカートしていることです。これは後のギュルケ版で聴かれるのですが、ここで先取りのようにやっていました。
 第3楽章は主題のホルンが明るく、また流れも美しい演奏です。トリオのフーガも言うことありません。第4楽章もご機嫌な演奏です。ウィーン・フィルの第5とはこんなにいいのかと思いました。提示部から展開部のアンサンブルは見事なものです。やはりイッセルシュテットの演奏は名演奏です。「田園」、第8と共に座右に置きたいものです。


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