1960〜1979年の演奏


オイゲン・ヨッフム/アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団(1968)


LP(PHILIPS SFL9601-9)全集
 ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
  7:41/10:26/5:41/8:52
  (第1楽章リピート:ワインガルトナー版)
CD1(PHILIPS DMP201)
 ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
  7:40/10:24/5:40/8:51
  (第1楽章リピート:ワインガルトナー版)
CD2(DECCA PROC 2013/7)全集
 ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
  (第1楽章リピート:ワインガルトナー版)

  オイゲン・ヨッフム指揮
   アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
   録音 1968年12月

 この「運命」はヨッフム4度目の録音でした。1970年のベートーヴェン生誕200年に合わせて全集を録音したものです。LPの全集は9枚組のBOXで、ベートーヴェンのレリーフがほどこしてあるものでした。(ヨッフムはこの7〜8年後にロンドン交響楽団と全集を再録音していました。)
 交響曲第5番、ヨッフムの演奏は運命の動機をことさら強調しない淡々とした演奏のようにも思えますが、弦楽器の扱いがうまく、よどみのない音楽の流れを感じます。第1楽章展開部のホルンと木管のかけあいは絶妙です。また再現部のファゴットのファンファーレはホルンだけで演奏しているように聞えました。コーダ最後のフェルマータの後ではたっぷりと間を取っています。
 第2楽章のテンポはゆったりとしたもので、ヴィオラがひときわよく聞えてきます。遅いためか変奏曲の足取りが重く感じられます。しかしながら第5変奏のファゴットソロのあとは見事な響きを聴かせています。第3楽章はややおとなしい出方です。そのためハ短調の響きをじっくり聞くことができました。トリオのフーガは弦楽器の力強い演奏が聞き物です。第4楽章は堂々とした明るい演奏です。ピッコロはとくによく響きます。それにしても通して聴くと渋いですが良い演奏だなと思いました。


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