1950年代の演奏

ハンス・クナッパーツブッシュ/ドレスデン・シュターツカペレ
LP(キャビアレコード K-20C−58)

ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
  8:30/10:52/17:35
  (第1楽章、第4楽章リピート:原典版)

 ハンス・クナッパーツブッシュ指揮
  ドレスデン・シュターツカペレ
  録音データ不明(1950年代)

 この演奏は1956年のベルリン・フィルの演奏と解釈は異なりますがテンポが少し速いだけなので同じ頃の録音と思われます。1962年3月のフランクフルト放送のライブはテンポが大変遅くて全曲で40分もかかるので時期はかなり早いのではないかと思います。
 交響曲第5番の演奏は第1楽章がやや遅めのテンポながら重厚な響きを出しています。管楽器は明るく、ホルンのファンファーレも明るく力強いです。展開部も特にテンポを変えず一気にコーダへ進みます。なお再現部のファンファーレはファゴットで演奏しています。
 第2楽章も抜群の演奏でした。管楽器の響きが美しいです。第3楽章は冒頭重々しく響く弦のあとのホルンが明かるくきれいです。トリオのフーガはさすがで重厚で見事なアンサンブルを聞かせています。フィナーレが楽しく、重厚な響きの中にティンパニが祭り太鼓のような音を出していました。第3楽章の回想でゆったりと聞かせるところはクナらしいですが、全曲を通して聴いてみるとクナとは思えない演奏です。とにかくベートーヴェンを堪能できる演奏でした。


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