1950年代の演奏

ギュンター・ヴァント/ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団(1956)
CD(TESTAMENT SBT1286)英国盤 

1.ベートーヴェン/交響曲第4番変ロ長調Op60
2.    〃   /交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
            (第1楽章リピート:原典版)

  ギュンター・ヴァント指揮
   ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団
  録音 1956年6月7日(1)(モノラル)
      1956年12月(2)(ステレオ)

 ギュンター・ヴァント44歳の時の録音です。ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団はケルン歌劇場のオーケストラで演奏会用の名称です。
 交響曲第4番はすっきりした演奏です。第1楽章の第2主題では装飾音を短く演奏しています。第2楽章の冒頭では弦楽のふんわりとした響きがきれいです。フィナーレはやや遅めのテンポでじっくり聞かせる演奏です。弦とフルートが演奏するフレーズがきれいです。
 交響曲第5番「運命」第1楽章冒頭から運命の主題をスタッカート気味に音を切って演奏しています。フェルマータは短めです。この演奏は緊張感を持続させます。切れ味の良い演奏です。展開部においてもスタッカート気味に音を切ってすすむところは同様です。オーボエのカデンツァはフェルマータの後に一息入れる数少ない演奏のひとつでここは注目でしょう。再現部のファゴットのファンファーレは原典版とおりファゴットで演奏しています。第2楽章やや速めのテンポで、弦楽の美しさ、管楽器の響きの良さ、木管四重奏の美しい響きは聞きものです。第3楽章の流麗な演奏、ホルンの響きの良さ、フーガの見事な演奏が聞き物。フィナーレの力強い響きは素晴らしいものです。展開部の管楽器がきれいです。第3楽章の回想が良い雰囲気を出しています。再現部の厚みのある響きは素晴らしくティンパニの鮮やかな響きがあります。コーダのホルンの主題、ピッコロの響きも素晴らしいです。382小節から385小節のヴァイオリンとヴィオラのりズムの刻みもよく聞こえています。終結までの圧倒的な響きは素晴らしい。最後のフェルマータは短いです。


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