ベートーヴェン/ホルン・ソナタ

リチャード・トッド(1999)
CD(GM Recordings GM2070CD)

ホルンとピアノのための作品集
1.ベートーヴェン/ホルン・ソナタ ヘ長調Op17 
2.シューラー/ホルン・ソナタ(1988)
3.ラインベルガー/ホルン・ソナタ変ホ長調Op178

  リチャード・トッド(ホルン)
  ケヴィン・フィッツジェラルド(ピアノ)(1&3)
  ジョン・サカタ(ピアノ)(2)
  録音 1999年5月2、3&5日

 アメリカのホルン奏者リチャード・トッドによるホルン・ソナタ集です。「3つの世紀のホルン・ソナタ」というタイトルになっています。18世紀のベートーヴェン、19世紀のラインベルガー、20世紀のギュンター(ガンサー)・シューラーの3つのソナタです。
 ベートーヴェンのホルン・ソナタ(1799)はやわらかな響きのホルンできれいな演奏です。第1楽章の展開部でテンポを落としてからテンポアップしています。滑らかな演奏はロマン的で堅さはありません。第3楽章も同様で流麗な演奏です。
 シューラーの「ホルン・ソナタ」は1988年の作品。第1楽章「アンダンテ」あ穏やかな楽章ですが、第2楽章「アレグロ・エネルジコ」はエネルギッシュでスケルツォとも付かない激しさを感じさせる音楽です。第3楽章「アダージョ・メスト」はロングトーンが嘆きを感じさせます。アタッカで続く第4楽章「アレグロ・ジョコーソ」はおどけた雰囲気の主題が流れミュートも使うところが現代的ですが、特に多様なテクニックは使いません。しかしながら演奏は困難でしょう。
 ラインベルガーの「ホルン・ソナタ変ホ長調」は1894年の作品。19世紀のホルン・ソナタの名曲で録音も多いです。第1楽章冒頭のファンファーレ風の主題が印象的です。ピアノも美しい響きでホルンとピアノが作り出す音楽は高尚です。トッドのホルンがふくよかな響きでこのソナタに良く合います。第2楽章「クワジ・アダージョ」の響きの良さは申し分ありません。第3楽章の跳躍的な主題は豪快です。強奏でも音が割れることなく見事な演奏です。


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