1980〜1999年の演奏

セルジュ・チェリビダッケ/ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団(1989)

CD(AUDIOR AUDSE-508)
CD-R(RE!DISCOVER RED-73)

1.ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
            (リピート無し:原典版)
2.ロッシーニ/歌劇「どろぼうかささぎ」序曲
3.J・シュトラウス/ピツィカート・ポルカ
4.ブラームス/ハンガリー舞曲第1番ト短調
5.ドヴォルザーク/スラヴ舞曲第8番ト短調Op46-8

  セルジュ・チェリビダッケ指揮
   ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団
  録音 1989年5月24日ライヴ(1)
          (モノラル録音)
      1980年代ライヴ(2〜5)
          (ステレオ録音)

 チェリビダッケの「運命」ライヴです。シュトゥットガルト放送と演奏した1982年のライヴよりのテンポは遅くなっています。
 交響曲第5番の第1楽章は、やや遅いテンポでしっかりと主題を演奏しています。ホルンのファンファーレの前に和音をふんわり演奏するところはチェリビダッケらしいです。提示部のリピートはありません。展開部はレガートで管と弦楽を交互に演奏するところが印象的です。オーボエのカデンツァは装飾音(ミレドレ)を装飾音として速めに吹いているのが面白いです。再現部のファゴットのファンファーレの前の和音をここでもやんわりと演奏しています。コーダへの重厚な響きは素晴らしいものです。第2楽章はゆったりとしたテンポで主題を歌っています。全合奏におけるティンパニの重々しい音が印象的です。第2変奏では弦楽器と木管楽器の対話がきれいです。木管四重奏はゆったりと大変美しい響きでした。第3変奏の転調では木管が物悲しく響くところに惹かれました。第3楽章遅めのテンポで、ホルンのテーマの強奏、テヌートと印象的な演奏です。フーガは流麗な演奏でここも素晴らしい。フィナーレは遅めのテンポで管と弦の厚みのある音で圧倒してくれます。ホルンと木管の主題も見事な響きです。展開部は弦楽と木管楽器の響きがきれいです。第3楽章の回想は静かにオーボエが歌うと再現部に堂々とした響きで突入します。チェリビダッケの叫び声が聞こえます。コーダまでの厚い響き、コーダのホルンの主題とピッコロの響きが素晴らしい。プレストから終結は力が入る熱のこもった演奏です。
 「どろぼうかささぎ」は管楽器の美しい響き、「ピツィカート・ポルカ」では間の取り方の絶妙なところが聴きものです。ブラームスとドヴォルザークの2曲はアンコール・ピースですがどちらも素晴らしい演奏です。


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