1960〜1979年の演奏


オトマール・スウィトナー/ベルリン国立歌劇場管弦楽団(1970年代)
CD(PILZ 442055-2)

1.モーツァルト/歌劇「ドン・ジョヴァンニ」序曲K527
2.シューベルト/2つの行進曲D886
3.ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調Op67「運命」 
         (第1楽章リピート:ワインガルトナー版)

  オトマール・スウィトナー指揮
    ベルリン国立歌劇場管弦楽団
  録音 1970年代ステレオ録音

 このアルバムは東西ドイツ統合語後に「東ドイツ革命」として企画されたもので、旧東ドイツの埋もれた録音を発掘した貴重なものです。スウィトナーのベートーヴェンは1981〜83年に全曲録音がありますが、この「運命」はその前に録音されたものです。
 モーツァルトの「ドン・ジョヴァンニ」序曲とシューベルトの「2つの行進曲」は「運命」同様に放送録音と思われます。大変素敵な演奏です。
 ベートーヴェンの交響曲第5番「運命」は第1楽章冒頭のどっしりと重みのある響きがドイツのオーケストラらしく、伝統を感じられます。ホルンのファンファーレも明るく実にさわやかな感じを受けます。ホールトーンもたっぷりあって良い響きになっています。再現部のファゴットのファンファーレはホルンが吹いています。コーダへのよどみない演奏は素晴らしく重厚な響きを出しています。コーダの運命の主題の強調、長いフェルマータがあります。第2楽章は程よいテンポで歌われます。そして丁寧に丁寧に歌われます。スウィトナーの指揮が目に見えるようです。第2変奏の流麗な演奏が素晴らしい。木管四重奏もまた美しい響きです。第3楽章は序奏でたっぷりとリタルダンドをかけています。ホルンの主題は力強く響きます。フーガは見事なアンサンブルを聞かせます。フィナーレはドイツ伝統の重厚な響きで圧倒されます。展開部の響きも抜群です。第3楽章の回想から再現部への盛り上げ方は見事です。コーダのホルンの主題もきれいです。終結の圧倒的な演奏が見事でした


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