2000年代の演奏

アナスタシア・リウボフ ピアノ・デュオ(2005)

CD(TOBU Recordings TBRCD-0123/0127-2)全集

ベートーヴェン/交響曲全集
シャルヴェンカ編曲による4手ピアノ連弾
CD2
1.交響曲第2番ニ長調Op36
2.交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
CD3
3.交響曲第4番変ロ長調Op60
4.交響曲第7番イ長調Op92
CD4
5.交響曲第6番ヘ長調Op68「田園」
6.交響曲第8番ヘ長調Op93

 アナスタシア・リウボフ ピアノ・デュオ
 アナスタシア・グロモグラソヴァ(ピアノ)
 リウボフ・グロモグラソヴァ(ピアノ)
 録音 2005年3月16日(2)
     2005年2月3日(4)
     2021年8月10〜31日(1、3、5&6)

 アナスタシア・グロモグラソヴァとリウボフ・グロモグラソヴァの姉妹によるベートーヴェンの交響曲の録音です。シャルヴェンカの編曲による4手ピアノ連弾です。全集から6曲を紹介します。

 交響曲第2番の演奏は第1楽章の序奏から力強い響きです。主部のアレグロ・コン・ブリオは勢いのある演奏で力強い響きを出しています。素晴らしい演奏です。第2楽章は美しさと荘厳な響きを出しています。第3楽章のスケルツォはベートーヴェンらしいピアノの響きです。第4楽章の響きのよさも素晴らしいものです。まさにベート−ヴェンのピアノ音楽です

 交響曲第5番ハ短調「運命」はシャルヴェンカの編曲による4手ピアノ版です。第1楽章は力強いテーマで始まり、つづく主題がハ短調であることが実によくわかる響きです。この提示部はピアノで弾くのがかなりきついようですが見事な指さばきを披露しています。リピートはありません。展開部のピアノもよい響きです。再現部でも第2主題がきれいに響きます。一人のリスト編曲よりも迫力があります。コーダも見事な演奏です。第2楽章はきれいに始まります。この美しいメロディーを見事に演奏しています。第1変奏、第2変奏とピアノによるきれいな演奏です。ソロよりも迫力があります。第3変奏からコーダまで素晴らしい演奏です。第3楽章は程よいテンポで、きれいな響きを聴かせてくれます。フーガの部分は4手ピアノですから見事な演奏です。フーガだからこそピアノの本領を発揮できるのでしょう。フィナーレまでの経過部は緊張感もあります。第4楽章のフィナーレは大きな音楽を作っています。提示部を聴いていくと内声部の音がよく聞こえます。ピアノで聴くのも新鮮でいいものです。提示部のリピートはありません。展開部はピアノ版だからこその絶妙な響きが聴かれます。素晴らしい演奏です。3楽章の回想はオーボエよりもピアノのメロディーの美しさがあります。再現部は迫力のある演奏です。コーダはホルンの主題、ピッコロの響きとピアノでの演奏も素晴らしいものです。終結も素晴らしい演奏です。ピアノ連弾で聴くのもよいものです。名演です。

 交響曲第4番は第1楽章の序奏で良い響きを出しています。そして提示部の主題は説得力のある演奏をしています。テンポは速いのですが見事な演奏です。再現部の響きも素晴らしい演奏です。第2楽章のアダージョはやや速めのテンポで強弱のメリハリを付けた演奏です。ピアノを聞く楽しさがあります。第3楽章のアレグロ・ヴィヴァーチェは2人の息の合った演奏が見事です。トリオも同じです。強弱の付け方が素晴らしいです。第4楽章のアレグロ・マ・ノン・トロッポは程よいテンポで演奏しています。力強いピアノです。コーダの演奏がも素晴らしいです。

 交響曲第7番は第1楽章の序奏が良い響きです。重厚な響きが聴かれます。ピアノも迫力があります。提示部はきれいな響きです。展開部は管楽器のような響きが素晴らしいです。再現部はピアノの響きの良さが素晴らしいです。コーダは素晴らしい響きです。第2楽章のアレグレットは弦楽を思わせる美しい響きがあります。そして管楽器の演奏する主題もきれいに響きます。きれいなピアノ演奏です。第3楽章のプレストは強弱のはっきりした演奏で勢いがあります。きれいなピアノ演奏です。トリオもきれいに響きます。スケルツォの見事な演奏です。第4楽章はアレグロ・コン・ブリオ、冒頭から力強い見事な演奏です。展開部の迫力も素晴らしいです。再現部もきれいな演奏です。コーダはこれも素晴らしい演奏です。迫力のある見事な演奏です。

 交響曲第6番「田園」は第1楽章の冒頭からきれいな演奏です。展開部も見事な演奏です。コーダもきれいなピアノ連弾の演奏です。第2楽章の「小川のほとりの情景」は小川の流れを感じさせるようなピアノの演奏です。コーダの小鳥の鳴き声部分はきれいな響きで素晴らしい演奏です。第3楽章のアレグロは踊りたくなるような見事な演奏です。ソロの部分も大変きれいな演奏です。トリオの演奏も素晴らしい演奏です。第4楽章の「嵐」は嵐の前の静けさから一気に嵐の大雨になる様子、雷鳴と大変力強い演奏です。遠雷の表現も良い響きです。第5楽章の「嵐のあとの感謝の気持ち」はきれいな演奏です。そして「牧人の歌」は喜びにあふれるようなきれいな演奏です。素晴らしいピアノ連弾による「田園」です。

 交響曲第8番は第1楽章のアレグロ・ヴィヴァーチェ・エ・コン・ブリオが冒頭から良い響きです。ピアノ連弾ならではの迫力ある演奏です。展開部からコーダまで見事な演奏です。第2楽章のスケルツァンドはリズムのきれいな演奏です。ピアノ連弾の素晴らしい演奏です。第3楽章のメヌエットは大変良い響きのピアノです。トリオのクラリネットとホルンの二重奏の部分の響きはきれいです。良い響きです。第4楽章のアレグロ・ヴィヴァーチェは細やかな主題をきれいに演奏しています。その後も勢いのある演奏が素晴らしいです。見事なピアノ連弾の演奏です。


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