1960〜1979年の演奏


ヘルベルト・フォン・カラヤン/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(1970)
CDーR(Pandora's Box CDPB237)

1.ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
  7:08/9:29/4:48/8:23
  (第1楽章リピート:ワインガルトナー版)
2.  〃  /交響曲第6番ヘ長調Op68「田園」

  ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮
   ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(
   録音 1970年6月9日 ムジーク・フェライン

 この録音は1970年6月のウィーン芸術週間でカラヤン/ベルリン・フィルがベートーヴェンの交響曲全曲演奏をしたときのものです。生前は日の目を見なかった幻の録音でした。カラヤンはこの1970年には大阪の万国博記念演奏で、5月にベートーヴェンの交響曲全曲演奏をしたばかりでした。 
 交響曲第5番「運命」の気迫に満ちた演奏はスタジオ録音では味わえないものでした。提示部のティンパニの重々しい響きが印象に残ります。ホルンが目立つ演奏でカラヤンの「運命」の中でも輝きに満ちた演奏といえましょう。そしてムジーク・フェラインのベルリン・フィルとしても記念すべき録音です。第4楽章の最後のフェルマータの前に一瞬間をおくという演出は1948年のウィーン・フィルの録音と同じで、ムジーク・フェラインでの演奏ということも頭にあってのことかもしれません。
 交響曲第6番「田園」はカラヤンらしいテンポ運びで実にきれいな演奏です。なおこの演奏でホルンのザイフェルトが第3楽章のソロで1拍早く吹いてしまうのですが、さすがにベルリン・フィルで何事もなかったように合わせて演奏を続けています。


トップへ
戻る
前へ
次へ