1980〜1999年の演奏

アレクサンダー・ティトフ/サンクトペテルブルク新フィルハーモニー管弦楽団(1993)
CD(INFINITY QK−57220)

1.ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
   (7:38/9:45/5:35/8:55)
    (第1楽章リピート:ワインガルトナー版)
2.   〃   /序曲「コリオラン」Op62
3.   〃   /「プロメテウスの創造物」序曲Op43
4.   〃   /序曲「レオノーレ」第3番Op72b

  アレクサンダー・ティトフ指揮
  サンクトペテルブルク新フィルハーモニー管弦楽団
  録音 1993年

 ティトフはゲルギエフのもとで研鑽をつんだ指揮者で、1988年の東京国際音楽コンクール指揮者部門で2位に入賞しています。録音はソニーです。このベートーヴェンは20世紀の演奏を継承したような演奏に聞こえます。
 交響曲第5番「運命」は第1楽章冒頭の主題をしっかり強調してフェルマータも長めです。そしてテンポアップしていくというものです。ホルンのファンファーレは少しヴィブラートをきかしたものでかつてのレニングラード・フィルを思わせます。展開部も主題の強調があります。管楽器の響きは明るいです。オーボエのカデンツァはフェルマータからのスラーではなく、アダージョのみのスラーになっています。再現部のファゴットのファンファーレはホルンが吹いていました。コーダの運命の主題はフェルマータの後に間をおくもので演奏効果は抜群です。第2楽章は丁寧な演奏で主題が大変きれいに弾かれています。また管楽器の響きもきれいです。第3楽章は序奏でリタルダンドをたっぷりかけてホルンの主題に入ります。やや遅めのテンポで堅実な演奏になっています。フィナーレは厚みのある響きで管楽器の活躍があります。展開部、第3楽章の回帰と良い流れです。再現部も同様でコーダのホルンの主題は大変明るい響きできれいでした。プレストから終結まで息をもつかせない見事な演奏です。
 「コリオラン」「プロメテウスの創造物」「レオノーレ」第3番は堅実な演奏でした。なおジャケットには序曲「レオノーレ」第2番と記載されていますが、第3番の間違いです。


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