1960〜1979年の演奏


ルドルフ・ケンペ/チューリヒ・トーンハレ管弦楽団(1971)
CD(SCRIBENDUM SC-001)

1.ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
2.ドヴォルザーク/交響曲第9番ホ短調Op95
                       「新世界より」
  ルドルフ・ケンペ指揮
   チューリヒ・トーンハレ管弦楽団
  録音 1971年3月24&25日(1)
      1971年6月29〜7月1日(2)

 ルドルフ・ケンペがチューリヒ・トーンハレ管弦楽団を指揮した「運命」&「新世界より」です。ケンペは同じオーケストラでブルックナーの8番も録音していました。ケンペは同じころミュンヘン・フィルハーモニーとベートーヴェンの交響曲全集を録音していましたが、このトーンハレの演奏はホールの響きがよいのできれいな響きの演奏になっています。
 ベートーヴェンの交響曲第5番「運命」は冒頭の主題は遅めのテンポで始まりますが、主部はテンポアップしています。フェルマータはたっぷり伸ばしています。展開部はレガートで流麗な演奏になっています。オーボエのカデンツァ前にテンポを落としています。再現部はファゴットのファンファーレがきれいに響いています。第2楽章はほど良いテンポで丁寧に主題を歌っています。木管楽器の響きがきれいです。第3変奏の木管は8分音符を長く伸ばしています。 第3楽章では序奏で低弦の強調、そしてホルンの主題が力強く響きます。フーガは弦楽の切れの良い演奏がききものです。フィナーレは管楽器の響きがきれいです。ホルンと木管の主題も朗々と響きます。展開部の響きもきれいです。再現部は雄大な響きになっています。コーダのホルンの主題から終結への流れ、プレストの厚みのある響きは堂々として壮大です。
 ドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」はLP1枚で発売されていました。ケンペはベルリン・フィルとロイヤル・フィルとで「新世界より」を録音していました。この演奏は雄大な響きを出した第1楽章、しみじみとしたコールアングレの主題が流れる第2楽章、エネルギッシュな第3楽章、各楽章の主題が交錯するフィナーレの厚みのある演奏と文句なしでしょう。


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