1980〜1999年の演奏

ユストゥス・フランツ/シンフォニア・ヴァルソヴィア(1994)
CD(BMG Ariola Classics 74321 26088 2)

ベートーヴェン/交響曲集
.交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
     (第1楽章リピート:原典版)
2.交響曲第6番ヘ長調Op68「田園」

  ユストゥス・フランツ指揮
   シンフォニア・ヴァルソヴィア
   録音 1994年1月
      ワルシャワ

 ユストゥス・フランツがシンフォニア・ヴァルソヴィアを指揮した「運命」と「田園」です。曲の前に演奏付きの解説があります。シンフォニア・ヴァルソヴィアはメニューインが設立したオーケストラです。
 交響曲第5番「運命」は程よいテンポの第1楽章はフェルマータをたっぷり伸ばしています。オーケストラの響きは緻密で素晴らしいです。ホルンのファンファーレは力強く響き渡ります。見事です。展開部冒頭のホルンの響きも素晴らしい。そして弦楽と管楽器の対話では強弱をしっかりつけています。オーボエのカデンツァはきれいな演奏です。再現部のファンファーレはファゴットで演奏しています。コーダへの経過部の響きは厚みがあります。ティンパニも良い響きです。コーダはたっぷりと伸ばしたフェルマータ、終結は圧倒的で切れ目なく終わります。第2楽章はやや遅めのテンポですが表情豊かに歌う主題がきれいです。また木管が大変きれいに響いています。第1変奏の上に木管が美しい響きを出してくれます。全合奏の音量は大きいです。第2変奏ではクラリネットとファゴットがきれいに響きます。木管四重奏は流麗で大変よく響きます。その後の全合奏も素晴らしい響きです。第3変奏の木管は良い響きです。第4変奏のファゴットもきれいな響きです。コーダも見事な演奏です。第3楽章は序奏のあとのホルンの主題が大変きれいです。フーガは弦楽の見事な演奏が聴かれます。低弦の厚い響きも見事です。コーダの弱奏部分は緊張感があります。見事な演奏です。フィナーレは重厚な響きが圧倒的です。ホルンと木管の主題もきれいです。展開部では弦楽のうまさ管楽器の響きが素晴らしい。トロンボーンが良い響きです。弦楽の厚い響きが素晴らしいです。第3楽章の回想はオーボエがきれいです。再現部は重厚な響きが素晴らしいです。コーダの和音の連続、そしてファゴットとホルンの主題がきれいです。ピッコロが大変きれいに響いています。プレストからは圧倒的な演奏です。和音の連続と終結のフェルマータの見事な響きは素晴らしいです。これは名演です。

 交響曲第6番「田園」は第1楽章冒頭から程よいテンポで主題を演奏しています。木管やホルンが良い響きです。展開部の同じフレーズの連続は素晴らしい演奏です。最後のファゴットの演奏がきれいです。再現部もきれいな演奏です。コーダのクラリネット、フルートへの流れもきれいです。終結では若干テンポをおとしています。第2楽章「小川のほとりの情景」はやや速めのテンポながら、クラリネットとファゴットの主題が大変きれいです。ヴァイオリンのきらめきもきれいです。ファゴットの第2主題もきれいな演奏です。フルートとオーボエの歌うところは鳥たちのさえずりのようです。コーダのフルート、オーボエ、クラリネットの演奏では夕暮れで静かになく鳥のような表現がきれいです。第3楽章は快適なテンポで、ホルンも良い響きです。オーボエ、クラリネット、そしてホルンと続く主題の流れは見事な演奏です。トリオは厚い響きが見事です。第4楽章「嵐と雷雨」は嵐の始まりからティンパニの強打が凄いです。雷鳴らしい音です。豪雨の表現も凄いです。コーダの遠雷も良い響きです。オーボエからフルートもきれいです。フィナーレ冒頭のクラリネットとホルンは素晴らしい響きです。深みのある音は印象的です。「牧人の歌」は喜びにあふれています。ホルンの角笛、主題の変奏もよい響きになって素晴らしい演奏です。コーダの素晴らしい響き、ホルンも良い響きです。最後はミュート・ホルンのソロがきれいに響きます。これは名演です。


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