2000年代の演奏

ダニエル・バレンボイム/ウェスト=イースタン・ディヴァン管弦楽団(2005)
CD(Warner 2564 62791−2)

ラマラ・コンサート
1.モーツァルト/協奏交響曲変ホ長調K297b
2.ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
      (第1楽章リピート:ワインガルトナー版)
3.エルガー/エニグマ変奏曲より

  モハメッド・サレー(オーボエ)(1)
  キナン・アズメー(クラリネット)(1)
  モール・ビロン(ファゴット)(1)
  シャロン・ポリャーク(ホルン)(1)
  ダニエル・バレンボイム指揮
  ウェスト=イースタン・ディヴァン管弦楽団
  録音 2005年8月21日
    パレスチナ/ラマラ・ライヴ

 このコンサートはバレンボイムが中東の若手演奏家を集め、パレスチナの平和を願って開いたコンサートでした。
 モーツァルトの協奏交響曲のソリストはイスラエルやアラブ諸国の若手演奏家です。いずれも優秀な演奏家ばかりで、これからが楽しみです。力強い演奏でした。モーツァルトは平和を、ベートーヴェンは未来に希望を託したプログラムだったのでしょう。
 ベートーヴェンの交響曲第5番「運命」第1楽章は重厚な冒頭の響きが見事です。再現部のファゴットのファンファーレにホルンを重ねています。実にさわやかな演奏です。第2楽章の演奏もきれいです。ベースが左から聞こえて驚きました。第3楽章の演奏も流麗で気持ちよいものです。フーガの低弦が左から、ヴィオラが右から聞こえるのが面白いです。フィナーレのやや速いテンポの演奏が素晴らしく管楽器も良い音を出しています。コーダのホルンの響きもたいへんきれいでした。プレストから終結の圧倒的な演奏、最後のフェルマータの長いことに感動しました。
 演奏のあとにバレンボイムのスピーチが入ります。アンコールにエニグマ変奏曲から第9変奏の「ニムロッド」が演奏されます。


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