2000年代の演奏

ヴォイチェフ・ライスキ/ポーランド室内フィルハーモニー管弦楽団(2007)
CD(TACET TACET S164)

 ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
  6:50/9:05/4:36/10:50
  (第1楽章&第4楽章リピート:原典版)

 ヴォイチェフ・ライスキ指揮
  ポーランド゙室内フィルハーモニー管弦楽団
   録音 2007年  
      ステラ・マリス教会

 ヴォイチェフ・ライスキは1948年ワルシャワ生まれのポーランドの指揮者。このベートーヴェンはサラウンド・サウンド録音されています。
 交響曲第5番の第1楽章は速いテンポで、べーレンライター版かもしれません。冒頭から速いテンポで、フェルマータも短くさわやかです。ホルンのファンファーレは強烈な音です。また室内楽団の響きの良さがにじみ出ています。展開部冒頭のホルンの強奏も凄いです。管と弦の掛け合いは管が強くなるのは仕方のないことかもしれません。再現部の響きは厚みがあり大変素晴らしい演奏です。
 第2楽章はやや速めのテンポですが大変きれいな響きを出しています。第1変奏に載るクラリネットの響きが輝いています。第2変奏の弦が若干弱いのはプルト数の違いですがきれいに響いています。またティンパニは強すぎない程度に叩いていて良いバランスとなっています。これはきれいな楽章になりました。
 第3楽章は序奏のリタルダンドもそこそこで速いテンポですすみます。ホルンのテーマは強奏でメリハリをつけています。フーガは実に見事で、素晴らしいアンサンブルを聞かせます。
 第4楽章は冒頭大変厚みのある響きを出しています。ホルンのファンファーレも明るく気持ちよい演奏です。展開部の木管楽器が美しい響きを出しています。第3楽章の回帰が速いテンポで驚きます。再現部からコーダの流れもよく、この教会の残響を生かした録音の良さに聞きほれます。コーダに入ってホルンの主題のきれいなこと、プレストに入ってからのティンパニの活躍、実に見事な演奏でした。さわやかな印象を受けました。


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