1980〜1999年の演奏

高関 健/群馬交響楽団(1995)
CD(自主制作 RIKYU 96002)

 ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
  7:13/10:07/8:16/10:23
 (第1楽章、第3楽章、第4楽章リピート:ギュルケ版)

  高関 健指揮 群馬交響楽団
  録音 1995年10月7日 浜離宮朝日ホール

 この録音は群馬交響楽団創立50周年記念として交響曲全集が企画されたものでした。浜離宮での演奏会ライヴ録音です。
 交響曲第5番の第1楽章はきっちりと運命のテーマを強調して間をおいてから進むもので速いテンポの演奏です。アンサンブルは見事に調和された素晴らしいものです。ホルンのファンファーレもきれいです。展開部は強弱をはっきりとしたもので管と弦の対比はきれいでした。再現部のファンファーレは勿論ファゴットです。コーダの運命のテーマはテンポを落とさずに終わります。
 第2楽章はほど良いテンポで弦のドルチェがきれいです。木管は美しい響きでバランスのよいものでした。第2変奏のファゴットとクラリネットが印象的です。木管四重奏もきれいです。第3変奏の木管の8分音符は短いながらもそっと切るにくい演奏でした。
 第3楽章は冒頭そこそこのリタルダンドでホルンの主題に入ります。良いテンポ運びでフーガも息のピッタリあった見事な演奏です。提示部のリピートが自然に聞こえます。コーダの緊張感はたまりません。
 第4楽章は厚みのある冒頭が良い響きになっています。この楽章はリピートしてこそ生きるように思いますが、この演奏はまさにそれを実感しました。展開部の管楽器の美しい響きもいいですね。第3楽章の回帰もきれいでした。再現部の響きは弦と管のバランスが大変良いもので完璧です。コーダのホルンがきれいに響くと間もなくプレストになりますが、和音の強奏、最後のフェルマータまで息をもつかせぬ見事な演奏でした。
 第1楽章、第3楽章、第4楽章をリピートしても36分という速いテンポの演奏でした。すっきりとした演奏であり、また聞きたくなる演奏でもあります。


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