1980〜1999年の演奏

プロ・アルテ・アンティカ・プラハ(1995)(弦楽五重奏版)
CD(PONY CANYON PCCL−00321) 
 
1.ベートーヴェン/交響曲第8番ヘ長調Op93
2.   〃   /交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
      (エバース編:弦楽五重奏版)

  プロ・アルテ・アンティカ・プラハ
   録音 1995年11月22〜25日
       ドヴォルザーク・ホール   

 ベートーヴェンの交響曲にはエバース(1770〜1836)によって弦楽五重奏に編曲された版がありこのアルバムは「運命」と第8番を収録したものです。世界初録音でした。プロ・アルテ・アンティカ・プラハは2001年にも「運命」と「田園」を録音しています。
 交響曲第8番は冒頭から弦の刻みが鮮やかで、弦楽アンサンブルだからこそ味わえる編曲と思います。これを聴くとこの曲は弦楽をベースに管楽器が花を添えているように感じられます。メヌエットで本来ホルンで歌われるメロディをヴィオラが弾いていますが一部音型の違いがあって面白いです。
 交響曲第5番「運命」を弦楽五重奏で聴くとは思いませんでしたが、管楽器の音がしないだけで紛れもなく「運命」です。実際に演奏したら楽しそうです。弦楽のパートはほとんど代えてはいないようで、管楽器のパートがヴァイオリンだったり、ヴィオラだったりチェロだったりです。第1楽章のリズム感の豊かさ、第2楽章の主題がヴィオラで演奏されていますが、優雅な響きです。木管四重奏のところはヴァイオリンとヴィオラの四重奏になっています。これはまたきれいな演奏です。第3楽章では序奏の深みのある響きがきれいです。トリオのフーガはチェロ、ヴィオラ、ヴァイオリンと見事に受け継がれて素晴らしい。フィナーレの響きも素晴らしいの一言につきます。ベートーヴェンの交響曲に新たな輝きを与えた演奏です。


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