1960〜1979年の演奏


エフゲニー・ムラヴィンスキー/レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団(1974)
CD(Waner 0927-46719-2)

1.ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
       (第1楽章リピート:ワインガルトナー版) 
2.   〃    /交響曲第7番イ長調Op92

  エフゲニー・ムラヴィンスキー指揮
   レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団
   録音 1974年9月15日ライヴ(1)
       1964年9月19日ライヴ(2)

 ムラヴィンスキー1974年の「運命」と1964年の第7番です。
 交響曲第5番「運命」の第1楽章は速いテンポでしかも分厚い音で始まります。緊張感があります。ホルンのファンファーレはきれいですが強くはありません。展開部はこれがさすがにムラヴィンスキー、指定のクレッシェンドを極端にすることで演奏効果をあげているように思います。再現部のもファンファーレはホルンで吹いています。コーダの主題の強調長いフェルマータがあります。第2楽章はゆったりとした主題がきれいです。第2変奏の弦と木管の掛け合いはとてもチャーミングでした。木管四重奏はフルートが大変きれいです。第3変奏の木管の8分音符は短めに演奏しています。第4変奏にあたるファゴットのソロも大変きれいでした。
 第3楽章は速いテンポです。ホルンの主題は明るく響きます。トリオのフーガは厚みのある低弦の響きが素晴らしく見事な演奏を聴かせます。後半の弱奏の部分ではヴィオラの装飾音をはっきりとさせることで内声部の存在感を出しています。これは凄いです。フィナーレは重厚な響きが素晴らしい。展開部もしっかりと響かせています。第3楽章の回想から再現部は素晴らしい盛り上がりです。コーダのホルンはブヤノフスキーでしょう。続くピッコロも良く響きます。プレストから終結とさすがにムラヴィンスキーは凄い演奏です。
 交響曲第7番は冒頭から深い響きを出しています。提示部のホルンがティンパニにおされ気味なのが惜しいですが、オーケストラの響きはいいです。第2楽章の冒頭、弦楽の神々しい響きが素晴らしい。第3楽章の勢いある演奏、フィナーレの力強い響きが聞きものです。


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