シューベルト/流れの上で

クラウス・ヴァレンドルフ(2005)
CD(自主制作 TAMN0501)

1.ベートーヴェン/遥かなる恋人にOp98
2.シューベルト/流れの上でD943
3.シューマン/歌曲集「詩人の恋」Op48
4.中田喜直/「海四章」

  田口 宗明(バリトン)
  クラウス・ヴァレンドルフ(ホルン)(2)
  チャールズ・スペンサー(ピアノ)
  録音 2005年3月29〜31日
  オーストリア・シュヴァルツェンベルク/
   アンジェリカ・カフマンザール

 武蔵野音大教授の田口宗明によるバリトン独唱アルバムです。2曲目にシューベルトの「流れの上で」が演奏されています。
 ベートーヴェンの「遥かなる恋人に」は1816年に連作歌曲集として作曲されました。6つの曲が切れ目なく演奏されます。
 シューベルトの「流れの上で」はテノールで歌われることが多いのですが、ここではバリトン独唱で歌われており、調性は3度低いハ長調で歌われます。そのためホルンのオブリガートは低い音で始まります。雰囲気は穏やかなもので華麗な響きではありませんが落ち着いた音楽になっています。ヴァレンドルフのホルンはバリトンの歌唱を支えて抑えの利いた見事な演奏です。
 シューマンの歌曲集「詩人の恋」は16曲ありハイネの詩に作曲されています。田口のバリトンの表現力の豊かな歌唱には思わず感動します。
 中田喜直の「海四章」は第1曲「馬車」、第2曲「蝉(セミ)」、第3曲「沙上」、第4曲「わが耳は」の4曲で1947年の作品。バリトンまたはアルトのために書かれています。いずれも海を題材にしています。ピアノの響きがまた素晴らしい。


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