モーツァルト/ホルン協奏曲

2番/シビル・マーニ(2013)

CD(K&K KuK114)

1.エルガー/弦楽セレナード ホ短調Op20
2.モーツァルト/ホルン協奏曲第2番変ホ長調K417
3.ハイドン/4つのホルンと弦楽合奏のための
      カッサシオン ニ長調
4.モーツァルト/交響曲第29番イ長調K201

  シビル・マーニ(ホルン)(2&3)
  ベネディクテ・エルネス(ホルン)(3)
  モーリッツ・ハース(ホルン)(3)
  ヤニク・ネス(ホルン)(3)
  ゲルノート・シュルツ指揮
   マインツ室内管弦楽団
   録音2013年4月7日ライヴ

 ドイツのマインツ室内管弦楽団のコンサート・アルバムです。CASTLE CLASSICS(お城の古典音楽)というタイトルになっています。
 エルガーの「弦楽セレナード」はイギリスの弦楽作品のなかでも有名な作品で数多くの録音がありますが、この演奏はホールトーンを最大限に生かした奥行きと透明感のある弦楽の響きが素晴らしい。
 モーツァルトのホルン協奏曲第2番を吹いているシビル・マーニはスイス生まれの女性ホルン奏者です。滑らかなホルンで大変きれいな演奏です。第2楽章では透明感のあるホルンが会場の城に響いて素晴らしい。第3楽章では冒頭のフレーズに装飾音をいれるなどの余裕をみせ、フェルマータのあとに短いカデンツァを挿入しています。低音のタンギングが鮮やかです。他の協奏曲も聴いてみたくなります。
 ハイドンの4つのホルンと弦楽合奏のためのカッサシオン ニ長調は交響曲第31番「ホルン信号」と同様に4本のホルンが活躍する作品です。他にもいくつかの録音がありますが、この演奏の特徴はバート・ホンブルク城で演奏したことで残響の豊かな演奏になっていることです。4本のホルンが調和のとれた音色で息のあった演奏を聞かせます。ベネディクテ・エルネスも女性で、2人の男性と4人で作る響きは狩のホルンのダイナミックな響きそのものです。
 モーツァルトの交響曲第29番イ長調はホルン奏者にとっては高音域を出す難曲です。弦楽の透明感ゆたかな響きがホールに広がって素晴らしい演奏です。シュルツの演奏は天国的な響きのモーツァルトの音楽を再現した素晴らしいものです。ホルンの響きもよく、かつてない響きの29番でした。


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