ベートーヴェン/ホルン・ソナタ

ステファン・ブロンク(2015)
CD(CENTAUR CRC3558)

1.ベートーヴェン/ホルン・ソナタ ヘ長調Op17
2.ブラームス/ホルン三重奏曲変ホ長調Op40
3.ロッシーニ/前奏曲、主題と変奏曲

 ステファン・ブロンク(ナチュラルホルン)
 福田 理子(フォルテピアノ)
 フランク・ポールマン(ヴァイオリン)(2)
 録音 2015年11月

ステファン・ブロンクはオランダのホルン奏者で18世紀オーケストラのメンバーです。アプ・コスターやヘルマンバウマンにホルンを師事しています。
 ベートーヴェンの「ホルン・ソナタ」は19世紀のナチュラルホルンを吹いていますが、太い響きではなく良い響きのホルンです。ストップ音がきれいです。ブロンクのテクニックは完璧です。第2楽章はやや速めのアダージョで、第3楽章に入ります。福田のフォルテピアノが良い響きでホルンの伴奏によく合います。ブロンクのホルンはナチュラルホルンを吹いているとは思えないほどきれいな響きです。素晴らしい演奏です。
 ブラームスの「ホルン三重奏曲」はナチュラルホルンの響きが大変きれいな演奏です。ブラームスはホルンを吹きましたのでホルンのくせをよく知っていました。この作品はナチュラルホルンで聴くとその良さがわかります。この演奏はピアノがフォルテピアノですから音量も丁度よくてヴァイオリンとのバランスが抜群です。ホルンとヴァイオリンの調和のとれた響きはこの作品の美しさもよくわかります。第2楽章のスケルツォはピアノの響きが明るく、ヴァイオリンとホルンが楽しそうに歌います。トリオのホルンがきれいな演奏でピアノも良い響きです。第3楽章のアダージョ・メストは冒頭、ピアノのアルペッジョが大変きれいです。ホルンの歌は哀愁的です。ヴァイオリンと良い響きになっています。この曲の聴きどころです。第4楽章「アレグロ・コン・ブリオ」はホルンの快活な演奏、ヴァイオリンとピアノも良い響きで迫力あるものになっています。ホルンはハンドストップから開放するところがたまらなく素敵な響きです。この演奏はナチュラルホルンの演奏として大変優れた演奏です。
 ロッシーニの「前奏曲、主題と変奏曲」はナチュラルホルンでは大変演奏の難しい作品です。ブロンクは難なく吹いているようです。変奏曲はかなりのテクニックが必要ですが実に見事な演奏です。


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