1980〜1999年の演奏

リッカルド・ムーティ/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(1996)
CD-R(Belsona Classics BECL0065/66)2枚組

1.ベートーヴェン/劇音楽「エグモント」序曲Op84
2.    〃  /ピアノ協奏曲第4番ト長調Op58
3.ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
   (第1楽章、第4楽章リピート:原典版)

  ラドゥ・ルプー(ピアノ)(2)
  リッカルド・ムーティ指揮
   ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
  録音 1996年8月3日ライヴ
     ザルツブルク祝祭大劇場

 ムーティがウィーン・フィルとザルツブルク音楽祭に出演したときのベートーヴェン・ライヴです。ソリストに名ピアニスト、ラドゥ・ルプーを迎えていました。
 「エグモント」序曲はウィーン・フィルの豪華な響きの演奏でこれぞエグモントという名演です。
 ピアノ協奏曲第4番はリリシストと呼ばれるラドゥ・ルプーの演奏で響きの美しさは素晴らしく、録音の良さもあってスタジオ録音よりも良いかもしれません。第2楽章のムーティの指揮がまた素晴らしい響きを引き出しています。第3楽章のピアノのきらめきはモーツァルトを聴いているかのような美しさがあります。
 交響曲第5番「運命」は第1楽章冒頭の重厚な響きが素晴らしく、ホルンのファンファーレの強調と抜群の演奏です。フェルマータもたっぷり伸ばしています。展開部の流れも素晴らしく、なんという弦の美しさでしょう。再現部ではファゴットのファンファーレを原典版のとおり吹いています。第2楽章は程よいテンポで主題を表情豊かに歌っています。木管は大変良い響きを出しています。フルートの響きがきれいです。ヴィオラの3連符があざやかです。木管四重奏の美しさは絶品でしょう。
第3楽章は序奏のフェルマータが長めです。ウィンナホルンの主題は素晴らしい。この曲をウィーン・フィルで聴く喜びがあります。フーガの演奏は弦の見事な演奏があります。フィナーレの冒頭は速いテンポで大変厚い響きを出しています。提示部のリピートがあります。展開部では管楽器の響きもよく、第3楽章の回想の弦の響きオーボエの美しさもたまりません。再現部も厚いです。コーダの和音とホルンの主題は実にきれいです。ピッコロの響きもまた目立ちます。プレストからは圧倒的な演奏でした。最後のフェルマータの長さが素晴しい。完璧な演奏でした。


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