1980〜1999年の演奏

ターマシュ・ヴァーシャリ/ブダペスト交響楽団(1997)
CD(HUNGAROTON HCD31719)

1.ベートーヴェン/歌劇「フィデリオ」序曲OP72b
2.   〃   /交響曲第4番変ロ長調Op60
3.   〃   /交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
         (第1楽章リピート:原典版)

  ターマシュ・ヴァーシャリ指揮
   ブダペスト交響楽団
  録音 1997年2月14日&4月4日
   フランツ・リスト音楽院コンサートホール・ライヴ

 ターマシュ・ヴァーシャリはハンガリー出身のピアニストで指揮者です。ブダペスト交響楽団とベートーヴェンの交響曲を録音していました。
 「フィデリオ」序曲はリスト音楽院のホールに豊かに響く演奏で、聞きなれたこの曲に輝きを与えています。ホルン・ソロの明るい響きは素晴らしい。
 交響曲第4番は序奏の透明感のある響きが素晴らしい演奏です。提示部の弦楽の演奏は見事なものです。管楽器の明るい響きもきれいです。第2楽章のやわらかな響きの弦楽がたまりません。第3楽章の勢いのある演奏、フィナーレの弦楽の鮮やかな演奏も聞きもの。
 交響曲第5番「運命」第1楽章の冒頭は主題の強調、たっぷりのフェルマータ、ホルンの明るい響きとこの曲の聞きどころがたっぷり楽しめます。97年の演奏ながら演奏スタイルはまるで60年代のようです。展開部の響きのよさ、オーボエカデンツァの美しさがたまりません。再現部では原典版とおりファゴットのファンファーレが響きます。コーダの運命の主題はテンポを落としての強調があります。第2楽章はやや速いテンポで主題が歌われます。弦楽の美しさは素晴らしい。木管もきれいです。木管四重奏の美しい響きは明るく素晴らしいものです。第3楽章の流麗な演奏、ホルンの主題の明るい響きがきれいです。フーガの演奏も見事なものでした。フィナーレはやや速いテンポで重厚な響きを出しています。展開部も木管が良い響きを出しています。第3楽章の回想の木管のきれいな響きがほっとさせてくれます。再現部の厚い響きは抜群です。コーダのホルンの主題は明るいです。ピッコロも目立ちます。プレストから終結までの圧倒的な響きは素晴らしい。最後に微妙にテンポを落としています。


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