1950年代の演奏

アンドレ・クリュイタンス/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(1958)







CD1(ERATO 0190295381066-3) 全集
CD2(OTAKEN TKC-327)
CD3(EMI CE25−5605)
CD4(EMI 7243 4 83412 2 8)全集
CD5(EMI 7243 4 89157 2 6)
CD6(EMI 00946 367530 2 7)全集
CD7(ERATO 50999 6483032 2)全集
LP(SERAPHIM AA-5001)

CD1ー3
1.ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
       8:23/9:52/5:31/9:02
  (第1楽章リピート:ワインガルトナー版)
2.    〃   /交響曲第7番イ長調Op92
3     〃   /「エグモント」序曲Op84
  アンドレ・クリュイタンス指揮
   ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
  録音 1958年3月10〜13日(1)
      1960年3月1014日(2&3)
CD2
1.ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
  (第1楽章リピート:ワインガルトナー版)
2.    〃   /交響曲第7番イ長調Op92
CD3
1.ベートーヴェン/交響曲第4番変ロ長調Op60
2.   〃   /交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
  (第1楽章リピート:ワインガルトナー版)
CD1&CD4&CD6&CD7
 ベートーヴェン/交響曲全集(全9曲)
   アンドレ・クリュイタンス指揮
   ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
   録音 1958〜1960年
CD5
1.ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
  (第1楽章リピート:ワインガルトナー版)
2.    〃   /ピアノ協奏曲第3番ハ短調Op37
     ガブリエル・タッキーノ(ピアノ)(2)
  録音 1958年3月10〜13日(1)
      1962年1月(2)
LP
1.ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
  (第1楽章リピート:ワインガルトナー版)
2.シューベルト/交響曲第7(8)番ロ短調「未完成」
   録音 1958年3月10〜13日(1)
       1960年11月(2)
  アンドレ・クリュイタンス指揮
   ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

 アンドレ・クリュイタンスがベルリン・フィルを指揮したベートーヴェンの交響曲全集からの1枚を紹介します。第5番、第7番とエグモント序曲です。
 交響曲第5番「運命」第1楽章冒頭の運命の主題を重厚な響きで、フェルマータを長くのばして、フェルマータのあとには一息入れる20世紀巨匠の代表的な演奏です。この第5番を聴くとどんどん引き込まれていきそうです。展開部の弦楽と管楽器の対話もきれいです。そしてオーボエのカデンツァの美しさ、再現部のファゴットのファンファーレではホルンが大きく響きます。そしてコーダまでの緊張感、コーダの運命の主題の強調、間の取り方、これぞ第5番です。
第2楽章は程よいテンポで、弦楽の美しい主題、管楽器の響きの良さがあります。金管が入ると迫力もあります。第2変奏のクラリネットとファゴットも良い響き、木管四重奏の美しい響きはベルリン・フィルならではの素晴らしいものです。当然ながら第3変奏の木管の美しい響きは絶品です。クライマックスの厚い響きからコーダまでの流れの良さは素晴らしいです。第3楽章の流麗な演奏、ホルンの主題の響きの素晴らしいこと、フーガの素晴らしいアンサンブルは聞きどころです。後半の緊張感とフィナーレへのクレッシェンドが素晴らしい響きです。
 フィナーレは厚い響きが素晴らしいものです。ホルンも迫力があります。展開部の管楽器がきれいです。トロンボーンの響きは感動的です。第3楽章の回想もオーボエが良い響きです。再現部も厚みのある響きが素晴らしく、コーダのホルンの主題、ピッコロの響きも素晴らしいです。終結までの圧倒的な響きは素晴らしい。最後のフェルマータも感動的です。
 交響曲第7番は第1楽章の冒頭ズシーンとくる和音が凄いです。コッホのオーボエソロもまたきれいです。序奏で弦楽の厚い響きが聴きどころで、ティンパニも音に深みを与えています。提示部のフルートの主題、そして全合奏におけるホルンの響きが素晴らしい。また弦楽セクションのうまさは抜群で、あらためてベルリン・フィルの第七は凄いなと思います。展開部においてはこの作品の特徴同じフレーズの繰り返しが圧倒します。再現部では木管楽器の美しい響きが素晴らしいです。コーダで低弦のフレーズの連続が凄いです。終結のホルンの響きも素晴らしい響きです。第2楽章:アレグレットは引きずるような弦楽の足取りと重なって響く対旋律の美しさがなんと言っても聞き所です。管楽器が加わる全合奏は感動的です。中間部の管楽器の主題も美しいです。第3楽章:スケルツォはプレストのリズムとトリオが交互にきますが、このトリオのメロディが単純で、そこに対旋律が入ることで凄い音楽になっています。ベートーヴェンという作曲家が音楽の「構築」に力を入れた典型的な作品といえます。フィナーレは速いテンポで進みます。ここも木管とホルンが厚い響きを出します。弦楽が縦横に演奏するのは迫力があります。緊張感のある演奏です。管楽器も弦楽器も迫力のある演奏が続きます。コーダは迫力があります。
 「エグモント」序曲は冒頭から厚い響きです。そして弱奏が入ると耳をそばだててみたくなります。この序曲の魅力と素晴らしさ、ベルリン・フィルの管楽器のうまさを感じます。主部の勢いのある演奏はまさにベートーヴェンの音楽です。クリュイタンスの旨さが光ります。

 CD1は2017年発売のワーナーミュージック・フランスのERATO盤全集、CD2は2010年発売のオタケン・レコード盤、CD3は1990年発売の東芝EMI盤、CD4は1995年発売のEMIフランス盤の全集、CD5は1996年発売のEMIミュージック・フランス盤、CD6は2006年発売のEMIミュージック・フランス盤の全集、CD7は2010年発売のワーナーミュージック・フランスのERATO盤全集です。LPは1970年代の1000円盤です。


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