田園交響曲

ヘルベルト・フォン・カラヤン/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(1982)

CD1(DGG POCG-50002)
CD2(DGG POCG-1866/71)全集

ベートーヴェン/交響曲全集
CD1
1.交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
   7;15/9:16/4:48/8:41
  (第1楽章リピート:ワインガルトナー版)
2.交響曲第6番ヘ長調Op68「田園」

  ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮
   ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
    録音1982年11月18〜21日
      ベルリン・フィルハーモニー

 カラヤン/ベルリン・フィル3度目のベートーヴェン全集です。カラヤンのセッション録音としては3度目の全集で、1982〜83年の録音でした。
 交響曲第5番「運命」は厚みのある冒頭でたっぷりと伸ばしたフェルマータがきれいです。残響が生きています。ホルンのファンファーレはハウプトマンらの鮮やかな演奏が素晴らしい響きを出しています。展開部の演奏は弦楽の刻みの鮮やかさと管楽器の抜群の響きが聞きものです。ホルンの哀愁的な響きも印象的です。オーボエのカデンツァが美しいです。再現部のファンファーレはホルンとファゴットが吹いているようです。コーダまでの迫力ある演奏、運命の主題の強調とたっぷり伸ばすフェルマータはカラヤンらしいです。感動します。第2楽章は弦楽の透明感のある響きがきれいです。そして木管の美しい響きがすばらしいです。第1変奏は弦楽の良い響きが流れます。木管の響きもきれいです。経過部の金管が迫力あります。第2変奏はクラリネットとファゴットの合いの手がきれいに響きます。全合奏も素晴らしいです。さすがにカラヤンです。木管四重奏は大変きれいな演奏です。全合奏も迫力あります。木管の第3変奏は音を保持したきれいな演奏です。第4変奏のファゴットがよい響きを出しています。コーダも圧倒的な素晴らしい響きです。最後はたっぷりと伸ばして終わります。第3楽章は序奏のきれいな響き、そしてホルンの主題は力強いです。ここはベルリン・フィルの素晴らしさがあります。フーガの演奏は弦楽の抜群の演奏があります。後半の緊張感ある演奏も素晴らしいです。フィナーレはティンパニと管弦楽のバランスの良い響きが素晴らしいです。ホルンの厚い響きも素晴らしいです。展開部の管楽器の美しさは絶品です。第3楽章の回帰もきれいです。再現部の響きも素晴らしい響き、コーダのホルンの主題、ピッコロのきれいな響き、そしてプレストから終結まで一気に演奏しています。最後のフェルマータの前に一瞬の間をおくのは絶妙です。最後はたっぷりのばしています。
 交響曲第6番「田園」は速めのテンポでさわやかな演奏です。展開部はフルートの明るい響きが小鳥の鳴き声のようです。再現部からコーダも素晴らしい演奏です。コーダのクラリネットがよい響きです。第2楽章もやや速めのテンポです。弦楽の小川の流れがきれいです。クラリネットとファゴットによる主題はたっぷりときれいに歌っています。ファゴットに始まる第2主題もきれいです。展開部の木管が素晴らしい演奏です。またコーダのフルート、オーボエ、クラリネットの小鳥の鳴き声が見事です。第3楽章のアレグロは快適な演奏です。オーボエ、クラリネット、ホルンと続くソロは素晴らしい響きです。特にホルンはきれいに響きます。トリオの迫力ある演奏も素晴らしい響きです。リピートはありません。第4楽章の「嵐」は嵐の前の静けさから一気に嵐の大雨になる様子、ティンパニの雷鳴と生々しい響きがあります。ティンパニの響きは実に豪快で驚くほど見事なものです。また大雨がきて、雲が流れていく様子も感じられます。コーダの遠雷の表現は見事です。第5楽章の「嵐のあとの感謝の気持ち」はクラリネットに続くホルンの美しい響きが素晴らしいです。そして「牧人の歌」は喜びにあふれています。主題の変奏もよい響きになって素晴らしい「田園」です。後半からコーダの素晴らしい演奏、ホルンのソロも大変きれいに響きます。やはりカラヤン、名演奏です。
CD2は1995年発売の国内盤全集です。


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