第七交響曲

ヨーゼフ・クリップス/ロンドン交響楽団(1960)

CD(MADACY TCD2 52320)全集

ベートーヴェン/交響曲全集
ディスク3
1.交響曲第5番ハ短調Op67「運命」
  8:16/10:45/5:46/8:58(33分45秒)
    (第1楽章リピート:原典版)
2.交響曲第7番イ長調Op92

  ヨーゼフ・クリップス指揮
    ロンドン交響楽団
  録音 1960年1月11〜13、15、16&
           18〜27日

 ヨーゼフ・クリップスがロンドン交響楽団を指揮したベートーヴェンの交響曲全集からの1枚です。クリップスは全曲を17日で録音しました。
 交響曲第5番の第1楽章は程よいテンポの演奏で、冒頭のフェルマータは普通です。一息入れての主題はいいものです。ホルンのファンファーレはきれいです。タックウェルのホルンかもしれません。展開部の緻密な演奏、オーボエのカデンツァもきれいです。再現部も良い響きを出しています。コーダのフェルマータの跡に間をおいています。第2楽章は弦の主題が大変きれいです。第1変奏の木管の響きもきれいです。中間部の木管四重奏の美しさは素晴らしいです。続く全合奏の響きもいいです。木管の第3変奏も見事な演奏です。コーダもきれいです。第3楽章の序奏はやや遅めながら良い響きで、ホルンの主題も良い響きです。フーガの見事なアンサンブルは聞き所です。続く低弦の鮮やかな演奏も抜群です。乱れのない素晴らしいアンサンブルです。フィナーレまでの弱奏には緊張感が漂います。フィナーレの冒頭は厚みのある演奏です。ホルンの響きは圧倒的です。提示部の演奏はこの作品の聴きどころでもあります。展開部のトロンボーンも良い響きです。第3楽章の回帰はオーボエがきれいです。再現部も素晴らしい響きです。コーダのホルンの主題はきれいです。プレストからの演奏は圧倒的です。良い演奏です。
 交響曲第7番は第1楽章序奏の重厚な響きとホルンのきれいな響きが素晴らしいです。弦楽の刻みのあざやかな演奏と管楽器の美しさがあります。提示部の全合奏におけるホルンの素晴らしい響き、展開部の弦楽のうまさ、木管の美しさ、そして金管の響きも素晴らしいです。コーダも圧倒的な演奏です。第2楽章の「アレグレット」は弦楽の響きのよさ、対旋律の美しさがあります。管楽器が加わると感動的な響きになります。第3楽章の「プレスト」は軽快な演奏で明るい響きです。管楽器は大活躍です。第4楽章「アレグロ・コン・ブリオ」は快速なテンポで重厚な響きが聴かれます。ホルンのハイトーンもよく響きます。聞くほどにこの演奏には惹かれます。クリップスの指揮の素晴らしさがあります。ロンドン交響楽団の優れた演奏には感動です。(エヴェレスト原盤ですが、中国製です)


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